イスラエル、パレスチナ人のガザ強制退去計画せず=外相

John Irish

[ミュンヘン(ドイツ) 16日 ロイター] - イスラエルのカッツ外相は16日、パレスチナ自治区ガザから住民を強制退去させる計画はないとし、同地区最南部ラファに避難している多数の住民についてエジプトと調整する意向を示した。

イスラエルはラファに地上侵攻する構えで、関係者によると、エジプトは危機的な状況に備えてパレスチナ難民を収容できる施設を整えた場所をガザとの境界付近に構築している。

カッツ氏はイスラム組織ハマスがラファに潜んでいるため侵攻せざるを得ないとした上で、「パレスチナ人をガザから追い出すつもりはない」と言明。「民間人に危害を加えることは望まず、安全な場所に移動させる」と述べた。

移動先については、ガザ南部ハンユニスからハマス戦闘員を一掃した後に同市に戻るか、もしくはガザ地区西部に移動できるとした。

西側当局者や支援団体などは、エジプトに難民が押し寄せれば大惨事になると警告している。カッツ氏は退避方法について米国と協議中だが、エジプトとも調整すると説明。「ラファについてはエジプトと協議した上で対処する」と述べた。

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