好調のシナーがロッテルダム大会を制しツアー通算12勝目!世界ランクも自己最高の3位へジャンプアップ<SMASH>

男子テニスツアー「ABNアムロ・オープン」(2月12日~18日/オランダ・ロッテルダム/インドアハードコート/ATP500)は現地18日にシングルス決勝を実施。第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク4位)が第5シードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同11位)を7-5、6-4のストレートで下し、今季2勝目を飾った。

今大会が悲願の四大大会初優勝を成し遂げた1月の全豪オープン以来初の公式戦出場となった22歳のシナー。少々苦しい試合もあったものの失セット数を1に抑えて勝ち上がり(うち準々決勝は相手の途中棄権)、過去6勝0敗と分の良いデミノーとの決勝へ駒を進めていた。

決勝でのシナーは序盤からどこかピリッとしないプレーが続き、とりわけ得意のフォアハンドでミスを連発。デミノーの粘り強いディフェンスと強烈なカウンターにも苦戦を強いられる。それでも強化してきたサービスで何とか要所を締め、第5ゲームではこの日初のブレークに成功。

サービング・フォー・ザ・セットとなった第10ゲームでは計4度のセットポイントを決めきれずに痛恨のブレークバックを喫したシナーだったが、直後の第11ゲームではデミノーのミスに助けられる形で2度目のブレークを果たし、接戦の末に第1セットを先取した。
第2セットは第6ゲームまで互いにブレークを1つ取り合うシーソーゲームとなる。その中でシナーは持ち前の力強いストロークで相手を揺さぶり、第5ゲームで先にブレークを取得。第7ゲームでもデミノーのサービスゲームを破り、そのリードを守り切って勝利を収めた。

対デミノー7連勝を飾ったシナーはこれが通算12度目のツアータイトル獲得。今季未だ負けなしの22歳は試合後のインタビューで喜びをあらわにしながら次のように今大会を振り返った。

「僕たち(チーム)は数週間前の全豪でも本当に良い仕事をしたが、今大会も非常に良い形でそれを継続できた。この1週間を通して、高いレベルのプレーができたことを本当に誇りに思う。厳しい状況にあったが、正しい方法で対処した。常に改善しようと努める。それが最も重要だ」

この結果シナーは大会後に更新される世界ランキングでダニール・メドベージェフ(ロシア)を抜いてキャリアハイの3位に浮上することが確定。一方敗れたデミノーも自己最高位の9位となることが決まった。

文●中村光佑

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