情報BOX:ロ反体制派ナワリヌイ氏死亡巡る最新情報、遺体の所在不明

[モスクワ 18日 ロイター] - ロシアのプーチン政権を批判していた反政府活動家アレクセイ・ナワリヌイ氏が16日に収監先の刑務所で死亡した。

ナワリヌイ氏の死を巡り現時点で分かっていることと不明点を以下にまとめた。

<死亡時の状況>

ナワリヌイ氏は、モスクワの北東約1900キロのヤマロ・ネネツ自治管区のIK─3刑務所に収監されていた。

同氏の死亡は、モスクワ時間2月16日午後2時19分(日本時間同日午後8時19分)にヤマロ・ネネツ自治管区連邦刑務所当局が発表した。

「2024年2月16日、第3棟でナワリヌイ受刑者は散歩の後、気分が悪くなり、すぐに意識を失った」

「刑務所の医療スタッフがすぐに到着し、救急隊に出動を要請した」

「必要な蘇生措置を全て実施したものの効果はなかった。救急車の医師が死亡を宣告した。死因は現在調査中である」

ナワリヌイ氏死亡に関する詳細は刑務所側からも医療関係者からも明らかにされていない。

<突然死症候群>

ナワリヌイ氏死亡が報道された数時間後、妻のユリアさんは、ドイツのミュンヘンで開催された安全保障会議で、ロシア当局の発表であることから信じていいかわからないと述べていた。

17日になって、ナワリヌイ氏の広報担当者キラ・ヤルミシュ氏が同氏の死亡を確認した。母親のリュドミラさんが、死亡時刻が現地時間16日午後2時17分(日本時間午後6時17分)と記した公式書類を受け取ったという。

ナワリヌイ氏の反汚職財団の責任者イワン・ジュダノフ氏は17日、「今朝、アレクセイの弁護士と母親のリュドミラさんが刑務所に到着したところ、ナワリヌイ氏の死因は突然死症候群だと告げられた」と述べた。

「突然死症候群」は、突然の心停止や死亡を引き起こすさまざまな心臓疾患を指す。ロシア国営メディアRTは、関係筋情報としてナワリヌイ氏の死因が血栓だったと伝えた。

<遺体はどこに>

ナワリヌイ氏の遺体がどこに安置されているかは不明だ。

母親のリュドミラさんは、刑務所近くの町サレハルドに移送されたと聞き当地の遺体安置所に行ったが閉まっていた。

広報担当者ヤルミシュ氏によると、弁護士の問い合わせに対し、死体安置所はナワリヌイ氏の遺体はないと返答。

その後、当局が、調査が終わるまで遺体は引き渡せないと言ってきたという。当初は調査の結果、事件性はないと説明していた。

ヤルミシュ氏は17日のロイターのインタビューで「今現在、われわれは遺体に対面できておらず、どこにあるのかもわからない」と語った。

サレハルドの死体安置所の職員はロイターに、ナワリヌイ氏の遺体は来ていないと語った。

独立系新聞ノーバヤ・ガゼータは、情報筋の話として、遺体はサレハルドの病院の霊安室に運ばれたと伝えた。遺体には心臓マッサージを試みた跡があるほか、ある種の発作と一致する打撲痕があった。心停止の理由は不明だという。

ロシアの一部メディアは、特別調査チームがモスクワから到着したと報じた。検死がいつ行われるかは不明。

<健康問題>

ナワリヌイ氏は死の前日、リモートで出廷した法廷で冗談を言っていた。この裁判は、ナワリヌイ氏が、同氏からペンを没収しようとした刑務官と「口論」したため開かれたとオンラインニュースSOTAは伝えた。ナワリヌイ氏は同日、15日間の独房拘禁に処せられたと明らかにしていた。

ロシアの刑務所は苛烈で、ナワリヌイ氏の関係者は同氏に危害が及び殺されたりするのではないかと懸念していた。

ナワリヌイ氏は、刑務所での言動も含め、さまざまな理由で何度も懲罰房に入れられた。

収監先は、ロシアで最も過酷な刑務所の一つとされている。

1月、ナワリヌイ氏は「まだマイナス32度を下回ってはいない」とし「朝6時半の散歩ほど、元気が出ることはない」などと述べた。

1年弱前、ナワリヌイ氏の関係者は同氏が激しい胃痛に悩まされていると指摘していた。また劣悪な環境下、栄養不良で歯を失っていたとされる。

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