院長との面会を要求、刃物出し脅迫…病院に不審者“どうすれば”を警察と確認 川口の病院で対処訓練

不審者役(右)を落ち着かせようとする職員=9日午後、埼玉県川口市の川口総合病院

 埼玉県警川口署は、川口市西川口の川口総合病院で不審者対処訓練を実施した。不審者が侵入した際の連携強化と対処能力の向上が狙い。昨年10月に戸田市内の病院で発生した発砲事件を受け、同病院が署と合同の訓練を依頼し行われた。参加者らは事案の発生から通報、犯人制圧までの手順を確認した。

 訓練は来院した不審な男が受付で院長との面会を執拗に要求する場面から始まる。責任者が「お約束がないとお会いできない」などと落ち着かせたものの、刃物を出して脅迫。職員は110番し、男の特徴を伝えた。緊迫した時間が続いたところで警察官が到着。警棒などを駆使して刃物をたたき落として制圧、逮捕した。

 講評した同署の稲沢慎司生活安全課長は注意点として、「不審者と距離を取る」重要性などを伝えた。

 訓練を見学した事務部診療支援課の50代の女性職員は、「声を荒げていたら、落ち着かせようとして(不審者に)近づいてしまっていたと思うので、気を付けたい」と振り返った。

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