當真あみ×奥平大兼『ケの日のケケケ』仲間と共に居場所を探す“感覚過敏”の少女を描く 3・26放送【コメントあり】

By TV LIFE

『ケの日のケケケ』左から)當真あみ、奥平大兼

當真あみが主演を務め、奥平大兼が共演する創作テレビドラマ大賞『ケの日のケケケ』(NHK総合・BSプレミアム4K 午後10時~10時44分)が、3月26日(火)放送。當真と奥平、作・森野マッシュらよりコメントが到着した。

「あまねの生きる世界は、とげとげしくうるさくて、過剰にまぶしい」。本作では“感覚過敏”の一人の高校生の少女が、仲間とともに自分の居場所づくりをしようとする姿を通してすべての「生きづらさ」を感じる人々に勇気を届けていく。

第47回創作テレビドラマ大賞受賞作は、27歳の俊英脚本家・森野マッシュのみずみずしいデビュー作。主演のあまね役にテレビドラマ初主演の當真あみ、あまねの理解者・琥太郎役に奥平大兼を迎え、U-20の若き俳優陣が2人を支える。さらに尾野真千子、岡山天音、山田キヌヲ、板橋駿谷など実力派の俳優たちが彼らをサポートし、「令和時代の新たな青春物語」を届ける。

演出は『エンジェルフライト 国際霊柩送還士』『外事警察』の堀切園健太郎(NHKエンタープライズ)。Ryu Matsuyamaの透明感あふれる音楽にのって紡がれる映像美、宝石のような短編ドラマを送る。コメントは以下を参照。

當真あみ コメント
『ケの日のケケケ』當真あみ

『ケの日のケケケ』で片瀬あまねを演じました、當真あみです。私が演じたあまねは光や音に敏感で、食べられる物と食べられない物などがある感覚過敏の女の子です。感覚過敏とは何か、あまねはどんな世界で生きているのかを知る必要があり、感覚過敏を知っていく中で自分にとって普通だと思っていたことが全くそうではないということに気付かされました。
個人差があり、人それぞれな感覚。どうにもならないことばかりでも自分が自分でいられるよう努力するあまねの姿とともに、感覚過敏について見る方に知っていただけるとうれしいです。

奥平大兼 コメント
『ケの日のケケケ』奥平大兼

『ケの日のケケケ』で進藤琥太郎を演じました、奥平大兼です。
琥太郎という役柄について、個人的に最初の方は理解するのに時間がかかった記憶があるのですが、その中で役柄に歩み寄っていくのが楽しかったです。
當真あみさんとは少し前にドラマで共演して以来で、今回も不思議な関係値だったので、作品に入る前にどのように演じるか楽しみにしていました。
撮影させていただいた学校がとてもきれいな風景で、季節的に秋というのもあり、気持ちがすごく落ち着いた状態で撮影できました。また、この作品ならではのゆったりした空気感がとても居心地良かったです。
この作品に出てくる子たちは、みんな自分の中のやりたいことや、正しいと信じているものに正面からぶつかって、頑張っている子たちだと思います。 そんなみんなの姿と、この作品に流れている独特な空気もぜひ感じながら見ていただきたいなと思います。

作・森野マッシュ コメント

初めまして、森野マッシュです。
こうして皆さまにごあいさつできるのも、大賞をいただけたからこそ。
うれしすぎるからもう一度、初めまして!
『ケの日のケケケ』は、私が思ういとおしい人たちをたっぷり詰め込んだお話です。
希望を探そうとすることすらしんどくて、上どころか前すら向けないし、歩くとか絶対無理。そういう日々の中で見てもつらくならない作品を目指して書きました。
どうか、楽しんでいただけますように!

制作統括・落合将 コメント

創作テレビドラマ大賞、今年の受賞作は、「刃のような」作品だと私は捉えています。
令和世代の森野さんのデビュー作は、一読して痛烈に従来の昭和的価値観に疑問を投げかけているように感じました。
「人は等しく皆平等」「頑張れば夢はかなう」「話をすれば理解し合える」「家族も夫婦もみんな仲良く、それが幸福」と高度経済成長期の昭和がアナウンスしてきた言葉たちは令和の今、大きくほころんで、格差社会の中で収入も二極化し、家族も持てない恋愛もできない、そんな単身者世帯だらけ、が令和の日本の現実となっています。『ケの日のケケケ』は一人の高校生の今を描くことで、昭和的な価値観の緩やかな強制を風刺して、「人間はそんなに単純なものではない」「無神経で理不尽な現実から、自らの強い意志で距離をとって、命がけで守るべきものがある」というような、悲鳴に近い叫び声を若き作者があげている気がしました。
私たちが生きている日常での現実の人と人との生のぶつかり合いには、とても複雑な情報性と深い魂のやりとりの世界が隠されている。そして人間は、不条理な「けもの」を内面に飼っている単純化できない生き物である。私はそういう世界を描いて、戦後の日本の社会が人々に当てはめようとしてきたつまらない価値観に反逆したい、という静かな怒りが、無意識かもしれませんが、令和世代の森野さんのこの台本からは聞こえてくる気が私はしました。
27歳の俊英作家の全く「新しい」透明な叫び声に、このドラマに触れることで、耳を澄ませていただけたら。

演出・堀切園健太郎 コメント

若者の生きづらさはいつの時代にもあるが、あまりにも繊細なその配慮のありさまに舌を巻く。しかし、描かれる世界はまさに社会の縮図だ。多様性が叫ばれ過度な優しさが求められる時代に、どの視点でこの物語を捉えるかで自分の立場を見透かされる。
悩み、苦しみ、傷ついた主人公が自らの手で居場所を勝ち取ろうとする姿は、若者だけでなく大人へのメッセージだ。デリケートな題材を真面目で誠実なだけの描写にとどめず、物語として昇華させている点はこの脚本の大きな魅力である。
実際の当事者から話を聞きながら、この難役を繊細かつ前向きに、時にコミカルに演じてくれた當真さんは、今の彼女にしか演じられない魅力にあふれている。

番組情報

創作テレビドラマ大賞『ケの日のケケケ』
NHK総合・BSプレミアム4K
2024年3月26日(火)午後10時~10時44分

作:森野マッシュ
音楽:Ryu Matsuyama
演出:堀切園健太郎(NHK エンタープライズ)
出演:當真あみ 奥平大兼 小宮山莉渚 望月歩 中井友望 伊礼姫奈
岡山天音 山田キヌヲ 板橋駿谷 尾野真千子
制作統括:落合将(NHK エンタープライズ) 遠藤理史(NHK)

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