札幌の会社が実証実験 介護の「2025年問題」対応へ

団塊の世代が来年までに、75歳以上の後期高齢者になるのを受け、介護業界で人手不足が懸念されています。こうした中、札幌の介護事業会社がある実証実験を行っています。

札幌の「ケアビューアー」は、眼鏡型の情報端末・スマートグラスを使って、これまで手作業で入力していた血圧や脈拍などの介護記録を音声入力できるサービスを開発しています。すでに製品化している健康状態を記録するアプリと連動させ、省力化を図ります。グラスにはカメラが搭載され、入居者の顔を見ると直近に記録した食事や体温が表示される仕組みも開発中です。

介護業界では、団塊の世代が後期高齢者となり人材不足が深刻化する「2025年問題」が指摘されていて、厚労省は2025年度におよそ32万人の職員が不足すると試算しています。

ケアビューアー・本田悠人さん「人材不足と生産性の低さという課題があるので、記録業務のために30分、1時間残業して記録するという作業がこのソフトを入れることでなくなるのでストレス軽減につながり人が定着する」。

体験した介護事業所の職員「言葉で入力できるなら何か作業をしながら入力できるので、かなり業務が効率化できる」。

体験した介護事業所の職員「入居者のバイタルの状態などを調べるのも便利になる」。

来月まで市内の施設で実証実験を行い、6月ごろに商品化を予定しています。

一方、小樽商科大は今月、介護施設のビジネス戦略に特化した講座を道内で初めて開講します。経営難や人手不足に対応できる人材の育成が目的です。

小樽商科大ビジネススクール・藤原健祐准教授「辞めずに雇用し続けられるかもそうだし、少人数で事業をまわすことも必要で、そういったところにマネジメントの知識が必要」。

© テレビ北海道