犬にやるべきではない『飼い主のからかい行為』3選 期待させすぎると信頼を失う可能性も…

犬に対する「飼い主のからかい行為」

犬のカワイイ表情や仕草を見たいし可愛がりたいという気持ちは、飼い主さんであればだれでもお持ちでしょう。

実際に名前を呼んで触れ合っている時や、お散歩の最中、ドッグランで遊んでいる最中など、犬たちは様々な表情を見せてくれます。ちょっとした失敗に戸惑う姿も、かわいらしいものですよね。

しかしその戸惑っている表情や困った仕草を見たいからといって、あえて「からかう」ことはお勧めできません。人間もそうですが、犬たちにとってからかわれることはあまり気分の良いものではないからです。

では一体どんな行為が「からかい行為」になるのでしょうか。飼い主としてやるべきではない行為をきちんと確認しておきましょう。

1.期待させてから期待に応えない

「ごはんをあげる」「おやつをあげる」というポーズで犬を期待させたのに実際はあげない、というからかい行為はやるべきではありません。

この行為によって、犬は戸惑ったりちょっと困ったりした表情を浮かべます。普段見せないこのような仕草や表情を、「カワイイ♪」と思ってしまう方も多いでしょう。

しかし、このような行為は絶対NGです。食べ物を使った行為以外でも、「散歩へいく」「ボール遊びをする」など、犬が大好きなことをエサにして犬を期待させた後にわざとそれを撤回するのは良くありません。

人間である私たちも、好きなものを見せられて、「あげようか?でもやっぱりやめた!」と言われたら傷つきます。なぜそんなからかい方をするんだ、と怒りたくなりますよね。

この心理は犬にも当てはまります。好きなものをチラつかされて期待したのに、それを目の前で裏切られることが繰り返されれば、いやな気持になり、次第に飼い主への信頼がなくなっていくでしょう。

2.リラックスしている時に驚かす

犬という生き物はもともと警戒心が強く、リラックスしてぐっすりと寝ているように見えても、実は耳や鼻で周囲の状況を把握しているものです。しかし多くの家庭犬の場合は、安心できる家族が側にいるため、警戒心を解いて深く眠ることも多いですね。

そんなリラックスできる空間でいきなり驚かしてしまうと、犬たちは本当にびっくりして目を丸くして飛び起きます。

犬が耳をぎゅっと立ち上げ、あたふたしながら周りを確認したりする姿が面白いといって、愛犬がうとうとしているときや大人しくしている時に突然驚かそうとしてしまう人もいるのではないでしょうか。

しかし、こちらの行為も、犬には大きなストレスとなるためNG行為です。誰でも突然驚かされたらびっくりしますし、怖いと思ってしまうのではないでしょうか。人間にとっては「からかい」で済むかもしれませんが、犬にとっては驚きすぎて逆に攻撃行動に出てしまう子もいるでしょう。

そして急に脅かすようなことが何回も繰り返されると、次第に犬は「この人は嫌なことをする」と学習してしまいます。家の中でリラックスできなくなるばかりか、常に警戒を強いられる生活になるため、犬には大きなストレスとなってしまうのです。

3.苦手なものや嫌いなものをわざと見せる

飼い主として、愛犬の「嫌なもの」「苦手なもの」「嫌いなもの」はご存知でしょうか。

ブラシや爪切り、お風呂やお洋服など、苦手なものや嫌いなものは犬によってさまざまあるかと思います。

嫌なものを犬に見せたときの反応が面白いからといって、犬に対して嫌なものを近づけたり遠ざけたりして遊ぶのは止めましょう。このようなからかいも犬の大きなストレスになります。

しかしグルーミングの道具などは犬の健康に必要なものも多く、あまり苦手意識を持ってもらいたくありませんよね。その場合、使用時間をごく短時間にし、終わったらたっぷり褒めてあげたり、オヤツなどでしっかりとメンタルのケアをしてあげましょう。

まとめ

犬の様子がかわいいからと言ってからかう行為は、お互いの信頼関係を崩して愛犬に大きなストレスを与える行為です。

犬のストレスが高まると身体的な病気を発症したり、噛む、破壊などの問題行動にもつながります。特に、一旦期待させた上でその期待を裏切るという行為は、犬からの信頼を著しく失います。

愛犬を期待させすぎないように注意するのは勿論のこと、人間にとっては些細な事であっても犬にとっては嫌な事である場合も。

犬とコミュニケーションをとる際は犬の様子をしっかり観察し、(それは嫌だな…)という気持ちを読み取って対応してあげられるといいですね。

(獣医師監修:後藤マチ子)

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