中国の若者の間で養生ブーム、月間2万円を費やす人も

近年、漢方の理学療法やマッサージが若者の間でブームとなった背景には、頸椎や腰椎疾患の若年化があります。

頸椎(けいつい)・腰椎疾患の若年化に伴い、理学療法やマッサージが中国の若い年齢層の間で人気を呼んでいます。長い間夜更かし生活を送った若者らは安心感を求めて、さまざまなサプリメントを服用し、足浴パックや温湿布などを使っています。またSNSでは、多くの若者らがマッサージのほか、古典的な気功法である「八段錦」、お灸、刮痧(かっさ)など漢方の治療法や養生方法をシェアすることに熱心です。これらの投稿は熱い議論を呼び、多くの「いいね」を得ていますが、専門家は、自分の身体状況を正しく確認したうえで自分にふさわしい養生と治療法を選び、盲目的にブームに巻き込まれないよう注意を促しています。

近年、漢方の理学療法やマッサージが若者の間でブームとなった背景には、頸椎や腰椎疾患の若年化があり、多くの若者は自分のことを「年が若いわりに体の具合が悪く、ちょっとしたことで痛みが出るため、退勤後に病院で理学療法などを受ける」と述べています。

中国中央テレビ局の経済チャンネル「CCTV-2」の統計データによると、2023年に中国では18~35歳の若年層の消費ランキングで、ヘルシー関連の消費が消費志向の第3位を占めました。一方、2022年に発表された「Z世代(1990年代後半から2010年生まれ)の栄養消費トレンド報告」によると、中国では若者が養生消費の主力となっており、都市部住民1人当たりのヘルスケア・養生関連消費は月に1000元(約2万円)を上回り、うち18~35歳の若年層が83.7%を占めていました。

北京中医薬大学針灸マッサージ学院の薛衛国教授は、「若者の間で出現している頸椎や肩や腰椎の痛みは、悪い姿勢や運動不足などの生活習慣と関連しており、精神的なストレスも大きく影響している。ストレスが大きく情緒が不安定であると、筋肉は緊張して体に不具合が生じる」と述べています。

また、薛教授はこうした傾向について、「若者は健康管理のために自身の身体状況に応じて試すことはできるが、最も重要なことは自分の体質とライフスタイルにふさわしい養生のやり方を見つけることだ」と述べ、営利を目的とした養生やヘルシーに関する商戦に巻き込まれないよう注意を促しました。(提供/CRI)

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