いぎなり東北産[ライブレポート]ステージ上でチョコフォンデュパーティーの実施も!? カカオとカオスが混ざり合ったバレンタインイベント開催

いぎなり東北産[ライブレポート]ステージ上でチョコフォンデュパーティーの実施も!? カカオとカオスが混ざり合ったバレンタインイベント開催

いぎなり東北産が、2月17日(土)に地元の仙台Rensaにてライブイベント<いぎなりバレンタイン 2024>を開催した。本記事では、オフィシャルレポートをお届けする。

取材・写真・文:Yosuke TSUJI

バレンタインをフィーチャーしたイベントということで、セットリストにラブソングや“あざとかわいい”楽曲が並べば、「愛の告白コーナー」では、告白する側もそれを観ている側も思わず頬を赤らめてしまうような展開に。さらにこの日はステージ上でチョコフォンデュパーティーがいきなりはじまるなど、カカオとカオスが混ざり合うスウィートなイベント(?)になっていた。

バレンタイン定番ソングがBGMとして会場に流れる中、いぎなり東北産のメンバーは雪の妖精を想起させる白の衣装でステージに登場。チケットソールドアウトでパンパンとなったフロアに設けられていた“めんこいエリア(女性・子供用観覧エリア)”からは、“可愛い……”と、思わず漏れてしまったであろう心の声がいくつも聞こえてくる。

メンバーが横一列に並ぶと、“バレンタインライブ、「くるくる」していきましょう!”と、律月ひかるが客席に呼びかけ、1曲目はイベント前日の2月16日にサブスク解禁となったばかりの「狂くるどっかーん♡」。律月自身が綴った歌詞と、彼女が敬愛してやまない大森靖子が提供したメロディでかたどられた、可愛いと狂気の間から手招きされているかのような世界観。いぎなり東北産のパフォーマンスによって表現された楽曲がオープニングから眼前に広がり、(続いて披露された大森靖子提供曲「服を着て、恋したい」と合わせて)早くも観客の興奮度と熱量はMAXとなっていた。

“昨日、「狂くるどっかーん♡」のサブスクが解禁されました! みんなもう聴いてくれたかな? (大森)靖子ちゃんのファンの方からも反応をいただいて、すごい嬉しかったです。初めて作詞をさせていただいて、大好きな大森さんに作曲をしていただいたんですけど、初めての作詞なのでどういう感じにしようかなっていうのは悩んだんですけど、ラブリートンチキソングにしたくて。そういう感じのを書きました”MCで「狂くるどっかーん♡」について律月が語ると、葉月結菜も“(この曲は)るんちゃんの世界観に溢れていて、今までみんな(ライブで披露されるだけだったから)歌詞見れなかったじゃん? 1番最後の《異常です♡》とか歌詞を見ないとわからないところだったり、歌詞を見たほうがるんちゃんの世界観が伝わると思うから、歌詞の表記とかも見てほしい”と補足。藤谷美海も1人ひとり音読してみてほしい!”と提案するなど、律月のセンスとワードチョイスが光るこの作品について、みんなで楽しそうに話していた。

さらにバレンタインイベントということで、MCにもバレンタイン要素が盛り込まれる。それが「愛の告白コーナー」。メンバー1人ずつの自己紹介に続いて、文字通り好きな人“など”に告白をするというものだ。トップバッターは「狂くるどっかーん♡」について語ったばかりの律月ひかる。突然切り替わるオルゴールサウンドをBGMに、律月は“あのね、あなたに救われて、今の私があるの。初めての共同作業はすごくドキドキしたけど、目が合ってニコってしてくれた時に、心がね、キュンとしたの。大好きだよ……大森靖子さん”と、大森靖子の名前を挙げる。その瞬間、ドラマティックに鳴り響くのは、ホイットニー・ヒューストンのあの歌声。律月のガチ告白とお約束のような演出の合せ技に、会場からは悲鳴と絶叫、そして爆笑が起っていた。

その後もメンバーの告白は続く。葉月結菜は、“えっと、いつもそばにいてくれてありがとう。なんか疲れた時とかどんな時でも私を笑わせてくれたり、楽しくさせてくれたり、本当に君がいるから私が楽しく過ごせているなって思います”と、これまた興味深い告白を始める。“いつもそばにいる”とか“君がいるから私が楽しく過ごせている”といったワードに、 勘が鋭い観客の中には、“これはきっと仲間たちへの愛を語っているのではないか……?”と推測をした人もいたことだろう。ましてや、今、この瞬間に葉月の横に並んでいるメンバーたちがそれを察しているのは言うまでもない。各人の期待が高まる中、葉月は言葉を続ける。

“これからも10年、20年、ずっと一緒にいて下さい……ウーロンハイ。”

スタッフから“週にどのくらい飲んでいるんだろう?”と思われるほどに“お酒キャラ”が定着している葉月。とはいえ、彼女の告白相手がまさかのウーロンハイだったとは。もちろんのことながら“(告白相手は)私たちだと思った!”“ウーロンハイと私たち、どっちが大事なのよ!”と、ステージ上はちょっとした修羅場である。

<いぎなりバレンタイン 2024>仙台Rensa(2024年2月17日)

いぎなり東北産の“あざとかわいい”担当の吉瀬真珠は、“えっと、みんなの前で言うのは恥ずかしいんだけど……。カッコよくて、知らない間に目で追ってしまってて、すごくドキドキしてるの。でもね、かわいい一面とかもあって、そんなとこにもキュンってしちゃうの”と、これまた聞き捨てならない告白をし始める。思わせぶりな吉瀬の視線と仕草を見守りつつも、相手は一体誰なんだろうと気が気でない観客たち。“いつもそばにいてくれてありがとう。……私ね、あなたのことが好きすぎて、スリッパまで作っちゃったの”と、彼女の口からスリッパの話題が出たところで、FC限定でルームシューズが受注販売された彼女のオリジナルキャラ「よろしくまくん」のことだと判明。みんな一斉に胸をなでおろした……のが災いしてしまったのか、“うれしんじゅ……”と吉瀬の告白が続いているにも関わらず、ホイットニー・ヒューストンの歌声が突然流れ出す。まさかのスタッフ側の操作ミスによる告白失敗。そして、なぜかもう1回告白をやる流れになってしまい、吉瀬はちょっと膨れながらも、再度の告白フレーズに頬を赤らめて、しっかりと会場を2回も興奮させていた。

2023年11月にライブで初披露された「恋愛フィルター」や、年上組の“とうほくちゃん”や年下組の“いぎなりちゃん”のそれぞれのユニット曲、そして“えっ、なにそれ? 私以外の人からチョコレートもらったの? その人のこと、消しゴムマジックで消せたらいいのに。……なんてね”と、律月ひかるの地雷系彼女なアドリブから始まった「あなたは」など、いぎなり東北産の恋愛系楽曲が次々に披露された中盤。TikTokでの関連動画の総再生回数が3週間で1,000万回を越え、アイドルたちが現在こぞって動画を投稿している話題の新曲「沼れ!マイラバー」からは、観客のカメラやスマホでの撮影が可能に。いぎなり東北産の可愛さが詰め込まれたパフォーマンスを、観客はそれぞれが手元のデバイスで記録していた。なお、観客が撮影した画像や映像は、各SNSで「#沼れマイラバー」「#ヌマラバ」といったハッシュタグから見ることができる。

さらに、撮影可能状態のままでフロアに流れてきたのは「恋はじめ」。この曲といえば、かつて彼女たちは、ライブ中にステージ上でメイクをしながらこの曲をパフォーマンスしたことから始まり(その昔、メンバーが幼かった時には芸能活動においてメイクが禁止されていた)、2023年の夏に行なわれたグループ結成8周年を記念したイベント<末広がり8周年祭>では歌いながら流しそうめんを実施。いぎなり東北産がステージ上で“ライブパフォーマンス以外の何か”をする際にセットリストに組み込まれることが多い曲、それが「恋はじめ」だ。事実、葉月結菜も“私たち、けっこう「曲流しながらご飯食べる系アイドル」やってるよね。しかもその時の曲に「恋はじめ」使いがち”と語っている。

そして今回の「恋はじめ」で何をはじめるかというと、“バレンタインということで、チョコフォンデュもやっちゃいます!”と、食材とチョコレートファウンテン(チョコフォンデュの装置)がステージに運び込まれる。曲が終わるまでチョコフォンデュパーティのスタート。“フルーツもある!”などなど、チョコレートファウンテンを囲んで観客のカメラにポーズをとったりと、一気にわちゃわちゃとし始める9人。ステージの下手端にいた吉瀬真珠と律月ひかるは、食材として用意されていたはずのグミをこっそりつまみ食い。串にイチゴを刺した葉月結菜は、おでんのようにマシュマロをいくつも串に刺している藤谷美海とポーズをとったあと、さっそくチョコレートをつけてひと口。その横では橘花怜が“ボーノ!”のポーズで幸せそうな表情を浮かべる。“アイスがやばい!”と興奮気味に口にする伊達花彩と、その様子を眺めながら、いつの間にかおでんみたいな串を置いた藤谷美海が、今度は自宅リビングのテレビを観ているかのような雰囲気でポテトチップスの袋を抱えて、もはやチョコにつけることなく普通にもぐもぐ食べている。

そんな収拾がつかなそうなカオスなステージがくり広げられたのち、気がついたら曲も終了。“まだ食べたいんだけど”と名残惜しそうなメンバーたちの姿とともに、バレンタインチョコ代わりの撮影可能コーナーのプレゼントは終了したのだった。

<いぎなりバレンタイン 2024>仙台Rensa(2024年2月17日)
<いぎなりバレンタイン 2024>仙台Rensa(2024年2月17日)

後半は「Trophy Girl」や「テキーナ」といった、ライブだと後半の盛り上がるブロックに配置されがちないぎなり東北産の恋愛ソングが並んだ。メンバーはステージでフォーメーションを目まぐるしく変えながらフロアを煽っていく。オーディエンスはそんな彼女たちのステージにペンライトを振って、クラップにコールに振りコピにと大盛りあがりだ。特に「テキーナ」最大最強の見どころ(聞きどころ)である後半の吉瀬真珠のパート。吉瀬が唐突に、そしてちょっと恥ずかしそうに“チョコちょーだい♡”と発すれば、フロアを埋め尽くした観客とステージ上の橘花怜は、その息の根を止められかねない可愛さに撃ち抜かれて声を上げて身悶えている。

そして可愛さのメーターが振り切れたいぎなり東北産による「わざとあざとエキスパート」へ。この曲中でも“これチョコなんだけど……勘違いしないでよね!”と桜ひなのがツンデレっぷりを発揮すると、藤谷美海も“チョコほしいなぁ”と破壊力のある一言を放つ。2023年にTikTokからアイドルシーン全体へと波及した同曲と、メンバーのバレンタインらしいラブリーなアドリブの乱れ打ちで、観客のボルテージもついにリミットブレイク。目の前のメンバーたちにもっと夢中になって、その歌声すらもかき消すほどの大歓声が会場を揺らしていた。

ラストソングの「結び」まで全12曲、1時間30分弱にわたってバレンタイン仕様で行なわれた今回のイベント。メンバーの可愛さがこれでもかと詰め込まれた本公演から提供された、どこのパティシエが作るバレンタインのスイーツよりも濃厚な時間は、集まった観客を溶かしてしまうには十分過ぎるものであった。

なお、終盤の告知のコーナーでは、3月9日の宮城から始まる春ツアー<2024春ツアー TOHOKU-SAN EXPO>について“みんなで歌わない曲があるかもしれない……”という意味深な発言とともに、新たなユニット曲の存在を匂わせていた。こちらについてはさらなる続報にも期待したいところだ。

<いぎなりバレンタイン 2024>仙台Rensa(2024年2月17日)

北美梨寧:

リハの時に(本番では)チョコフォンデュをやるっていう流れになって、私たちがすぐに“わかりました”って言ったら、ほかのスタッフさんが、“こうしてすぐ受け入れるのって東北産くらいだよね”って言ってて。私たちは変なことやり慣れているんですけど、みなさんはそんないぎなり東北産のことを好きでいてくれて、嬉しいなって思います。ありがとうございます!

安杜羽加:

バレンタインにマカロン作ったんですけど、本当にガチで失敗したので、パリに行ってガチ修行したいです。料理は得意なんですけど、お菓子作りは繊細すぎて。だからもうちょっと研究してホワイトデーにはみんなにあげたり見せることができたらいいなと思います。今日はすごい熱気とみんなでバレンタインを過ごすことができて楽しかったです。

藤谷美海:

来てくれてありがとうございました。久しぶりとみなさんと距離が近いので、地元の集まりみたいでした。バレンタイン仕様で服も可愛いし、みんな台詞変更してすごい楽しかったです。口の中がチョコだらけで歯磨きしようと思います。

<いぎなりバレンタイン 2024>仙台Rensa(2024年2月17日)

<いぎなりバレンタイン 2024>

いぎなり東北産

<2024春ツアー TOHOKU-SAN EXPO>

2024年3月9日(土)宮城・SENDAI GIGS

2024年3月31日(日)大阪・BIGCAT

2024年4月6日(土)東京・豊洲PIT

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