「速すぎる電動アシスト自転車」を抜き打ち検査機で取締り。蘭警察

Image:Politie.nl

オランダ警察は、同国内の電動アシスト自転車の制限速度25km/h、モーター出力250Wを超えてアシストする能力を持つ車両を取り締まるべく、移動式のテストベンチの導入を進めている。

「電動アシスト自転車」は一般的に、ペダルをこいだときにのみモーターによるアシストが加わり、上限速度に達するとアシストが切れるようになっている自転車のことだ。

たとえば米国やカナダでは、電動アシスト自転車によるアシスト付き走行の上限速度は32km/hと定められている(米国は州によって異なる)が、EU諸国では25km/h、日本はそれよりもやや低速な24km/hとなっている。

しかし、外見だけでは電動アシスト自転車のアシスト速度が規定どおりに収まっているかを判定するのは難しい。たとえばモペットと呼ばれる、モーターのみで走行可能な「ペダル付き原動機付自転車」や、スピードペデレックのような原付バイク扱いの車両は、最高速度が45km/hに達するものもある。

世界一の自転車大国であるオランダでは、近年電動アシスト自転車の普及が進む一方で、2022年には自転車死亡事故件数が過去最多を記録した。それはやはり、スピードペデレックなどの高速な電動バイク扱いの車両の増加に比例しているとのことだ。

オランダ警察が国内に247台もの導入を進めているテストベンチは、自転車用のトレッドミルのようなもので、検査車両を上に乗せ、警察官がペダルを踏み込むことでアシストが切れる速度を確かめることができるようになっている。

もし、規定された速度でアシストが切れないことがわかった場合は、その車両の使用者には罰金(290ユーロ、約4万7000円)が科されるとのことだ。また違反が複数回になれば車両が没収され破棄される可能性もあるという。

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