被災した輪島の酒蔵の酒を信州で〝代行〟 造り手の想いを込めた『奥能登の白菊』4月上旬に完成【長野・木祖村】

能登半島地震で被災した石川県輪島市の酒蔵の酒が、木祖村で代わりに造られています。
能登の酒造りを絶やしたくないと、思いを込めています。

もくもくとあがる蒸気。
日本酒の原料となる、酒米(さかまい)を蒸しています。
木祖村の湯川酒造店。使うのは特別な酒米です。

■湯川酒造店・湯川慎一杜氏
「緊張感を持ってお酒を仕込める」「建物が壊れて蔵も壊れて、そういったところを想像するだけでも胸が痛い」

酒米は、石川県輪島市の「白藤酒造店」のもの。能登半島地震で店舗や蔵などが被害を受け酒造りが出来ないため、湯川酒造店が醸造を代行しています。

■湯川酒造店・湯川尚子社長
「酒造りを継続していけるっていうお手伝いが出来ればいいなと思って声をかけさせてもらった」

社長の湯川尚子さんは、先月末、付き合いのある酒蔵に水を届けるため、被災地を訪れました。
白藤酒造店を経営する白藤喜一さんとは長い付き合いで、現地で「酒米を預かり醸造させてほしい」と提案しました。

■湯川酒造店・湯川尚子社長
「何か少しでも出来ることがあればなという考え、白藤さんの仕込み配合に準じた形でやらせてもらおうと約束をした」

預かった酒米は1トンで、水や麹の割合など白藤酒造店の作り方で醸造します。
作るのは「奥能登の白菊(しらぎく)」。造り手の思いを酒に込めます。

■湯川酒造店・湯川尚子社長
「軟らかくて優しいお酒。白藤さんのお酒は、白藤さんの人柄のようなお酒が醸せるように自分たちも心穏やかに過ごしたい」

4月上旬にできる見込みで、酒税などを除いた利益分は、白藤酒造店に届けるということです。

© 長野朝日放送株式会社