2チーム間の緊密な提携に異議を唱え続けるマクラーレンCEO「平等な競争の場にはならない」

 マクラーレン・レーシングのCEOを務めるザク・ブラウンは、レッドブルと姉妹チームのビザ・キャッシュアップRB F1チーム(レーシング・ブルズ)との提携に対し措置を講じるよう、FIAを説得することを諦めていない。

 レッドブルのセカンドチームの歴史は2006年にさかのぼる。レッドブルはミナルディを買収し、ファエンツァに本拠を置くチームをトロロッソとしてブランド名を変更した。チームは後にアルファタウリ、そして最近レーシング・ブルズへと進化した。当初このイタリアの小さなチームは、レッドブルの若い才能の試験場として機能した。セバスチャン・ベッテル、ダニエル・リカルド、マックス・フェルスタッペンらがレッドブルへと昇格し、ベッテルやフェルスタッペンはチャンピオンシップの栄光を手にした。

 しかしながらブラウンは、過去に大小のチーム間の特別な提携には正当な理由があったことを認めているが、レッドブルが利用している現在のオーナーシップ構造にはもはや説得力がないと感じている。この体制を長年声高に批判してきたブラウンは、自分の懸念は個人的なライバル関係を超えたものだと主張。緊密な協業は公正な競争の精神を損なうと主張し、同じ事業体が所有するチームの間で不当なアドバンテージが生じることを防ぐためのルール変更を求めている。

「私は実際、このスポーツのより広範な利益のために話をしている」とブラウンは、マクラーレンF1の新車発表会で語った。

「他のすべてのメジャースポーツを見てみると、ふたつのチームを所有することは許されていない。そして私はさらにそのことに踏み込みたい」

「A-Bチームの関係がある。15年前にそれが始まったときは、上位チームと下位チームの間に大きな差があったからだ。現在は、この素晴らしい予算制限が設定されているため10チームすべてがほぼ上限に達しており、我々には平等な競争の場がある」

「2チームの所有権を持てば、FIAとF1コミッションの会議に出席した際に、理論的には片方のチームにとって最善の利益にならない場合でも、同じ意見に投票するだろう。我々はそうしたことがコース上で行われ、いくつかの協業が進行しているのを見てきたが、彼らはどこにサスペンションを置くかなどといったことについて技術的には非常に率直だった」

2023年F1第16戦シンガポールGP 角田裕毅(アルファタウリ)&セルジオ・ペレス(レッドブル)

 リソースの共有は小規模チームが競争するための効率的な方法だと考える向きもあるが、ブラウンはそれが不平等な競争条件を生み出すことを懸念している。

「コンストラクターの定義は、独自の知的財産(IP)を開発するチームだ。したがって、このスポーツは平等な競争の場に移行したと考えている」

「A-Bの関係を持つこと、2チームの共同所有権を持つことは、平等な競争の場ということにならないと思う。それはファンが期待していることではない。明らかにFIAはそれについて何かをする必要がある」

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