海や川に放流された稚魚を食べるなど、漁業被害をもたらしているカワウの状況が広島県の対策会議で報告され、冬に飛来するカワウが年々、増えている実態が明らかになりました。
広島市で開かれたカワウ対策会議には約70人が出席しました。会議では去年12月に行われた生息状況調査の結果が報告され、県内で7185羽のカワウを確認。9年前の2014年と比べると倍以上に増加しています。 理由としては、冬を越すために県外から飛来しているとみられるということです。
また、冬に飛来するカワウが最も多いのは廿日市市などの県南部で、特に宮島の北側が目立っているということです。 フンで木や草が枯れている場所もあり、近づかないよう音がするテープや花火を使って対策をしていますが、一時的に移動しても再び戻ってくるなど、難しい状況だとしています。
宮島漁業協同組合 丸本孝雄 組合長
「今の現状はもう悲惨なもので、どんどん稚魚のうちからカワウに取られていくので漁業者にすれば本当に死活問題」
広島県 水産課 木村淳 課長
「他県から入ってくるのが多いということで、隣の県、中国四国あたりの広域的な対策を国にも相談しながら取り組んでいく必要がある」
県は、来年度以降も継続して対策をする方針です。