不信任決議案提出に揺らぐ与党 立民は「造反のすすめ」アピール

国会議事堂(資料写真)

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体との関係が指摘される盛山正仁文部科学相に対して立憲民主党が衆院に提出した不信任決議案が、与党内を揺るがしている。表向きは「粛々と否決」の姿勢だが、説明責任を果たそうとしない姿に失望感すら漂う。立民は不信任案を「造反のすすめ」(国対幹部)とアピールし、与党からの賛同に期待しており、20日の本会議での採決は結果が見通せない。

 立民関係者によると、安住淳国対委員長が18日夜に不信任案提出を決断。19日午前に国会内で安住氏のほか、笠浩史国対委員長代理(衆院神奈川9区)、後藤祐一(16区)、青柳陽一郎(比例南関東)両国対副委員長の神奈川県関係議員3人が会談し立民単独での提出方針を決めた。

 提出決定のプロセスは「ステルス作戦」(立民幹部)に徹し、同日午前に横浜市内で開かれた県連常任幹事会に県連代表の青柳氏ら3人は欠席。泉健太党代表は18日に同市内で記者団から文科相不信任案提出の可能性を問われた際、「盛山大臣自身が身の処し方を決めるまでわれわれは辞任を求めていく」とした上で、「それでどう応じるのかということを見て、さまざまな国会での対応をしていく」と明言を避けていた。

 旧統一教会を巡っては、22日から国と教団双方から意見を聞く「審問」が東京地裁で始まる。宗教法人を所管する政府の責任者として旧統一教会の解散命令を請求した盛山氏が適切な立証を進められないとの批判が上がっており、笠氏は提出後、取材に「残念ながら岸田首相も更迭を全く決断できない。こうなったからには審問の前にきちっとけじめを付けなければならない」と語気を強める。

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