「なんでこんなに空いているの?」かつては中心街をけん引も…目立つ“空き店舗”の有効活用でにぎわい取り戻せ

かつて、静岡市の賑わいの中心だった商店街を復活させようという取り組みが進んでいます。復活のカギは空き店舗。衰退の象徴だったスペースを有効活用しようと、新たな風がいま、吹き始めています。

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ジューシーな唐揚げと鮮度にこだわった生ビールを提供する専門店。静岡市葵区七間町で2023年10月、オープンしました。

<PERFECT BEER KITCHEN静岡店 秋山優斗店長>
「落ち着いている雰囲気もあって、いい意味で、きらびやかとしていない感じ」

落ち着きがあって、おしゃれな感じを目指していた秋山さんにとって理想的だったこのスペース。ちょうど空き店舗だったところに店を開くことに決めたといいます。

<PERFECT BEER KITCHEN静岡店 秋山優斗店長>
「空きテナントが目立つと思うんですけど、こういう新しくできた店舗がもうちょっと頑張って、空きスペースをなくしていきたい」

かつて、“映画の街”と知られ、静岡市の中心街「おまち」をけん引していた七間町名店街。時代は変わり、大型の商業施設やインターネット通販が台頭してきたことで、商店街を訪れる人は減り、次第に空き店舗が増えていきました。現在、路面店の4分の1はシャッターが閉まった状態です。

<静岡七間町名店街 久保耕介理事長>
Q空店舗の影響は?
「まずイメージが良くないですよね。『なんでこんなに空いているの?』と、客から言われることもあります」

いまや、商店街にとって一番の悩みの種となった空き店舗。この状況を何とかしたいと商店街側の仕掛けが始まっています。

2月17日、七間町の商店街で行われていたのは、空き店舗の見学ツアーです。

<空き店舗のオーナー>
「月に1万人前後、人が来ているので、静岡東宝会館として、1万人の集客力があるというのがここの強みになります」

ツアーでは、七間町にお店を出したいと希望している人たちに対し、物件ごとにオーナーが特徴を説明します。

<ツアー参加者>
「びっくりした。こんなに奥行きがあるとは思わなくて」

出店希望者にとっては、1日で9つの空き店舗を詳細な説明付きで、確認できるメリットがあります。

<ツアー参加者>
「静岡にどういう形でお手伝いできるのかというのを考えながら、参加させていただいています」

七間町の雰囲気や歴史を大事に思い、町の発展に尽くしたいという若い世代の熱意を生かすことが「おまち」の賑わいを取り戻すためには必要です。

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