鹿児島県西之表市は19日、総額143億5300万円の2024年度一般会計当初予算案を発表した。過去最高で23年度当初比13.3％増。公営住宅建て替えを控え、普通建設事業費が押し上げた。歳出の13.8％を馬毛島への米軍機訓練移転と自衛隊基地整備に伴う米軍再編交付金事業が占めた。
再編交付金以外では、空き家バンク事業を強化。基地整備着工以降、市内は工事関係者が急増し、住宅不足が顕在化した。地域おこし協力隊員を配置し、空き家の掘り起こしや有効活用を図る。
長年の懸案となっている医療・介護人材を確保するため、26年4月開校を目標に種子島で初の看護学校設置の準備を進める。この1年、市出身の大相撲幕内・島津海関が活躍。市民の関心も高く、所属する放駒部屋の合宿誘致を目指す。
歳入のうち、市税は法人関連税やたばこ税が伸び、2.1％増の14億9136万円。2年連続で増え、馬毛島基地工事の影響とみられる。自主財源比率は0.7ポイント増の24.5％。24年度末の市債残高は2億600万円減の86億8600万円、基金残高は6786万円増の46億6973万円を見込む。
