「なんで長崎から?」「地域格差だ!」マックのレジ袋有料化、長崎県だけ先行導入で疑問の声も…テストに選ばれる都道府県の条件

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2月19日、日本マクドナルドが長崎県内の23店舗で4月からプラスチック製のレジ袋を有料にすると発表した。プラスチックごみの削減を狙ったもので、レジ袋はサイズを問わず、1枚あたり5円となる。このニュースを受け、SNS上では疑問の声が多くあがっている。

《長崎県人だけど、なんで長崎からなん?》
《東京先行でなくなんで長崎先行なの?》
《なんで長崎だけ有料になるんだよ おかしいだろこう言うのを地域格差って言うんじゃねえのか やるなら段階的にするとか理由を説明しろ理由を》

今回の施策は長崎県のみの先行で行われ、今後、全国の店舗への展開も検討しているという。なぜ段階的な導入となったのだろうか。

「マクドナルドは過去に一部の県でのみ新商品を先行販売したことがあります。飲食チェーンにとって新商品は社運がかかったものです。一斉に販売してまったく売れずに経営状況が悪くなるというリスクは避けたいので、一部の地域で慎重にテスト販売を行い、売れ行きが好調であれば全国展開するという形をとっているのでしょう」(経済誌記者)

テストマーケティングに選ばれやすい県があるという。

「大都市の中間にある静岡県と広島県です。静岡は東京と大阪の間にあり、広島は大阪と福岡の間にあります。両県は労働や消費などが県内で完結できる独立経済圏を持っており、『日本の縮図』と言われています。年代、物価、職業の構成比率や世帯あたりの消費支出額も平均的で、データの偏りが出づらいため、全国に拡張できるかどうかを判断しやすいのです」(前出・経済誌記者)

長崎県はこの条件に当てはまっていないが、今回は新商品ではなく新施策であることがポイントだという。

「今回の発表は批判が出そうな内容ですし、影響がそこまで大きくない一つの県だけにテストで導入して、まず世間の反応を確認したいという狙いが一番にあったのではないでしょうか。長崎県の経済に関するデータや地理的条件などは、テストマーケティングに適していません。ただ、マクドナルドの店舗数は全国でも下から数えた方が早く、県全体で揃って新施策を始めやすいというメリットもあります。今後は実際に導入してからの不具合や、顧客から出た意見を参考にしながら、全国展開を検討していくことになるのでしょう」(前出・経済誌記者)

新商品を先に味わえるならいいが、レジ袋有料化だけ先行というのは長崎県民も嬉しくないだろう。

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