『新空港占拠』「獣」に裏切り者のユダがいる? “十二支”ではなく“十二使徒”の可能性

櫻井翔が主役を演じる『新空港占拠』(日本テレビ系)第6話において、ジェシーが演じる謎の男が、獣の仲間である「鼠」であることが明らかになった。

これまで正体不明であったため、ファンからは“謎の男”、または“ジェシー”の名で呼ばれていた鼠。また彼を追う偽警官・綾部朔の名前が「ついたち」とも読めることから、作中では何かイタチに関する暗示があるのではと推測されてきた。今回、謎の男が鼠であると明らかになったことで「イタチがネズミを追う」構図になる芸の細かさは、さすが『新空港占拠』だ。

やはりこの先の展開で気になるのは、鼠の目的だろう。裕子(比嘉愛未)に怪我の治療をさせ、なぜか彼女に付き纏い続ける彼は、自身を“大河”と名乗っている。SNS上で盛り上がりを見せているのが、その正体はおそらく「新見百花」の弟である「新見大河」ではないかという説だ。

新見百花とは、第2話「新・交渉」で出てきた、大手建設会社・白河組の会長である白河巌(俵木藤汰)の秘書だった女性。その新見百花についての調査結果がパネルに表示されるシーンで、彼女の家族構成に「実弟 新見大河(26歳)」と書かれているシーンがある。この新見大河が、鼠であるというわけだ。

そして、この考察には心強い裏付けとなる声が上がっている。百花が救急車で搬送される際の回想シーンで、「姉ちゃん」と呼ぶ弟の声とシルエットがジェシーであると多くの声が上がっているのである。以前、青鬼を演じた菊池風磨がその特徴でファンにすぐに特定された例もあり、武蔵(櫻井翔)の目はごまかせたとしても、彼らを見守り続けてきたファンには偽名も仮面も通用しないのかもしれない。

しかしジェシーが「新見大河」だとして、気になる点もある。彼が過去に提出した運転免許証には「新見大河」ではなく「松山雄大」という名前が記されていた。フェイクや偽名は本作ではそう珍しいことではないが、どんな理由があって彼は「松山雄大」を名乗っていたのだろうか。

また、この免許証が『新空港占拠』とSixTONESのメンバーに関連する小ネタの宝庫になっている点にも注目が集まっている。

具体的には、免許証上の生年月日がSixTONESの結成日である5月1日に設定されているほか、新見百花の生年月日が平成7年6月18日であり、これが松村北斗の実際の生年月日と一致している。また、松山雄大の住所が神奈川県横浜市と記されており、これは髙地優吾の出身地と同じだ。

裕子と大河のつながりにおいては、大河が姉の百花を発見し、救急車で運んだ場所が裕子の病院であったと考えると繋がる気もするが、真相は未だ闇の中。百花よりも重体の患者、もしくは“優先されるべき誰か”の治療が先に行われたために、彼女の処置が後回しにされたことへの恨みを抱いていると考えるのが自然かもしれない。

ちなみに、山猫が来る日の「113」は今回1月13日として物語上では進められているが、11月3日と解釈すると嵐のデビュー記念日としても捉えられる小ネタになっている。

また、山猫は空港の中にいると明らかになった第6話だが、警察内部ではなく、「獣の中に裏切り者がいるのかもしれない」という声も。この疑念に火をつけたのは『新空港占拠』のサウンドトラックに収録されている「十二使徒」という楽曲だ。曲名が「十二支」ではなく「十二使徒」であることから、裏切者であるユダの存在を暗示しているとの考察だが、山猫の真の目的がわからない以上、獣の中に山猫の側に立っている者がいる可能性も十分にあり得るのではないか。

第6話のラストでは、武蔵が天童(黒沢あすか)に拳銃を向けながら「お前をここから出す」と険しい表情で宣言。やや暴動モードの武蔵に「最高大好きです!」「闇堕ち三郎が見られる?」といったコメントが集まっている。今後の鼠の立ち振る舞いに、武蔵には思う存分振り回されて欲しいところだ。闇堕ち武蔵の「嘘だろ?」が聞ける日も、そう遠くないかもしれない。
(文=すなくじら)

© 株式会社blueprint