済南古城で感じる伝統文化の趣 中国山東省

済南古城で感じる伝統文化の趣 中国山東省

10日、済南市の大明湖風景区で運航される遊覧船。(済南=新華社記者/邵魯文)

 【新華社済南2月19日】中国山東省済南市は今年の春節(旧正月)連休、趵突泉(ほうとつせん)や大明湖などの観光名所に各地から多くの観光客が訪れた。大明湖では春節文化廟会(びょうえ、縁日)も開かれ、大いににぎわった。

 同市はここ数年、二環路内の旧市街から160平方キロの区域を選定し、歴史文化名城核心区や泉・都文化風貌区、名城観光名所を整備。歴史的建築と古い路地を保護し、都市の風貌と業態を改善することで、古い街並みに活気をもたらしている。

 明府城片区(エリア)は済南の歴史・文化の特色を残す重要なエリアで、各種の文化財保護建築が160カ所あるほか、珍珠泉や芙蓉泉など80余りの湧水が路地や住居の間に点在している。

 曲水亭街15号院と呼ばれる古建築は東側の正房(母屋)、耳室、北側の廂房(しょうぼう、母屋の両脇にあり中庭を囲む建物)2棟が良好な状態で保存されている。済南の伝統家屋の特徴を持ち、現在は茶館として多くの観光客が訪れる。

済南古城で感じる伝統文化の趣 中国山東省

10日、済南市の曲水亭街で景観を楽しむ人たち。(済南=新華社記者/邵魯文)

 江蘇省無錫市から観光に訪れた董経緯(とう・けいい)さんは「古い家屋や泉のせせらぎ、数々の無形文化遺産が往時の済南を体現している」と語った。

 曲水亭街の西側には11世紀中頃の北宋熙寧(きねい)年間に建てられた済南府学文廟(孔子廟)があり、漢民族の伝統衣装「漢服」を着た若者たちが写真撮影を楽しんでいた。済南市文物保護利用センターの呂智勇(りょ・ちゆう)主任によると、済南府学文廟はここ数年、済南の新たな文化的ランドマークとなり、年間100万人近くの観光客が訪れている。

 山東大学芸術学院の袁宙飛(えん・ちゅうひ)副教授は、生活・レジャーと観光体験、各地のグルメ、文化クリエーティブの凝縮を特色として古城文化観光を深く、融合的に発展させるのは、都市の記憶をとどめるだけでなく、済南という歴史文化都市に途絶えることのない独特の魅力を発散させることになると語った。(記者/邵魯文)

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