同日、同時間帯に複数の利用者に訪問介護…報酬73万円を不正請求、県が鹿屋市の事業所の指定取り消し

 鹿児島県は19日、鹿屋市の社会福祉法人円鏡福祉会が運営する「訪問介護事業所きずな」(同市)が介護報酬計73万1000円を不正請求したなどとして、県指定を取り消す行政処分をしたと発表した。県は13日付で同事業所へ通知した。

 県介護保険室によると、2022年7月から23年2月、円鏡福祉会が運営する有料老人ホームの利用者33人への訪問介護サービスを巡り、57万9000円を不正請求。ホームと訪問介護事業所は同じ建物にあることなどから10%減算する必要があったが、減算せずに請求した。

 ほかに、訪問介護員の出勤状況などが客観的に確認できないサービス提供記録があった。訪問介護員が同日、同時間帯に複数の利用者にサービス提供をしたとする記録も作成していた。

 県は23年3~10月、介護保険法に基づく監査を6回実施。3月14日に指定取り消しの効力が発生する。利用者の住所がある自治体は、加算金を含めた計99万5000円の返還を求める見込み。きずなは16年3月にも、不正請求に対する行政処分を受けていた。

 きずなの責任者は「管理不行き届きだった。処分は大変重く受け止めており、みなさまにおわび申し上げる」と話した。訪問介護で行っていた支援は、有料老人ホームで同様の内容を続けていく方針という。

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