「ええ大人が一本の宝木で涙流せる」4年ぶりの宝木争奪戦”西大寺会陽”を待ちわびた男たちの思い【岡山】

「備前平野に春を呼ぶ」と言われる西大寺会陽・はだか祭りがおととい(17日)岡山市東区の西大寺観音院で行われました。宝木争奪戦が4年ぶりに再開し完全復活した西大寺会陽。裸の男たちの思いに迫りました。

宝木争奪戦に強い思いを持って臨む寺坂グループです。宝木投下の2時間前、緊張した面持ちでまわしを締めていました。

(寺坂グループ 羽納通浩さん)「だいぶん昨日からやる気に満ちているんで。今年は久々なんで」

この西大寺会陽。多くの人が待ちわびていたことがあります。4年ぶりの宝木争奪戦です。500年以上の歴史がある祭りですが、ここ3年間は中止に…今年は新型コロナの5類移行を受け、争奪戦が再開されることになったのです。

(寺坂グループ 羽納直孝さん)「もうやるだけです。1年間やってきたことを出し切る、仲間と頑張るだけです」

午後7時過ぎ締め込み姿の男たち9000人が集結。会場がみるみる熱気に包まれていきます。

(参加者)「宝木とります!頑張ります!」「かっこいいです。これが一番かっこいいです。」

そして午後10時。宝木が投下されます。

(ドイツのテレビ局)「ふんどしだけ着ている人、本当にちょっと珍しい。ヨーロッパではそれが多分できない」「日本の文化はヨーロッパ人にとって、とてもおもしろい」「かっこいいと思いました、気合を入れていました」

(地元の人)「やっぱりお祭りは人が集まらないとおもしろ味がないですね」「テンションあがって嬉しいです」

今年は林グループと中元グループが宝木を獲得。復活して最初の福男になりました。

(中元グループ)「4年間できなかったっていうのは自分たちにとってももどかしい気持ちでいっぱいだった。みなさん、喜んでもらえて本当に嬉しい気持ちです」

今年は福男を逃した寺坂グループ。1年間共に練習を重ねたグループが福男となり、喜ぶメンバーもいました。

(寺坂グループ 羽納通浩さん)「悔しいんですけど一緒に練習しているグループなんでめっちゃ嬉しいです。こうやって仲間と命かけていけるのが誇りに思います」

(寺坂グループ代表 寺坂幸也さん)「こうやってええ大人が一本の宝木で涙流せるのが一番ええんじゃないですかね」

宝木争奪戦の復活で、改めてその魅力を確認する場にもなった今年の西大寺会陽。もうすぐ備前平野に春がやってきます。

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