【マレーシア】ムスリムの訪日観光、食事が懸念材料に[観光]

イスラム教徒(ムスリム)向けの飲食店検索アプリの企画・運営などを手がけるハラルナビ(東京都世田谷区)が日本に関心を持つムスリムを対象に実施した意識調査で、日本を観光する際に、ハラル(イスラム教の戒律で許されたもの)料理の提供やハラル食品の入手が懸念材料になっていることが分かった。

この調査は、今年2月4~7日に日本に関心を持っているムスリムを対象にオンラインで実施。日本での食、旅行、生活、施設などについて尋ねた。有効回答数は1,581件だった。

日本での食事に関する心配事(複数回答)についての質問では、調査参加者の86.1%が「飲食店でハラルフードの提供があるかどうか」と回答。77.9%が「スーパーマーケットや食料品店でハラルフードが入手できるかどうか」と答えた。

日本国内でハラル料理を食べる場合、特に好きな料理、または食べたいと思う料理(複数回答)では、87.8%が「ラーメン」と回答。「すし」(全体の69.4%)、「すき焼き」(同65.5%)、「うどん」(63.8%)、「天ぷら」(61.5%)と、伝統的な日本料理が人気を集めた。

日本国内の自然公園や観光地、文化施設への訪問希望が高まる一方で、日本在住、または日本を訪れたことがある調査参加者(有効回答数902件)の83.6%が、「礼拝可能な場所を見つけるのが難しい」と回答。礼拝所の不足の問題も浮き彫りとなった。

日本政府は2030年に訪日外国人旅行者数を6,000万人にすることを目標に掲げており、日本を訪れるムスリム観光客も増えている。米クレジットカード大手のマスターカードなどが発表している「グローバル・ムスリム・トラベル指数(GMTI)」の2023年版で、日本はイスラム協力機構(OIC)非加盟国ランキングで6位にランクインするなど、ムスリムに優しい「ムスリムフレンドリー」な国としての潜在性を持つ一方で、さまざまな課題が残されている。

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