津幡の小兵、角界へ 金沢学院大附高相撲部・濱田 錣山部屋入門、3月デビュー

立田川親方(左)の激励に笑顔を見せる濱田選手=金沢学院大附高

  ●大の里、欧勝海に続き「3人目の関取になる」

 金沢学院大附高相撲部3年で津幡町出身の濱田優誠(ゆうま)選手(17)=169センチ・100キロ=が錣山(しころやま)部屋に入門し、春場所(3月10日初日、大阪)で前相撲デビューする。19日に同校にあいさつに訪れた立田川親方(元小結・豊真将)は「体は小さいが、面白い相撲を取る」と評価。津幡町少年相撲教室の先輩である幕内・大の里と十両・欧勝海を目標に挙げ「被災地を元気にしたい。津幡出身で3人目の関取になりたい」と夢を膨らませた。

 濱田選手は津幡町中条小5年の秋、友人に誘われて出場した町の相撲大会で自分より小さい選手に敗れたことがきっかけで、相撲教室に入った。津幡南中時代は腰椎分離症を発症。高校では2年時に県高校新人大会の80キロ以上100キロ未満級で2位となったが、腰と膝のけがに悩まされて全国大会出場はできなかった。

 高校で「引退」と考えていたが、親交のある大の里と欧勝海の活躍に刺激を受けた。一人っ子の濱田選手にとって2人は「優しいお兄ちゃん的存在」。いくつかの部屋を見学し、錣山部屋から声がかかった。

 女手一つで育てた母和佳さん(45)は「本人は最初は迷っていたようですが、挑戦してみたら、と背中を押しました」と明かした。

  ●立田川親方が評価 遠藤、炎鵬目指し「被災地に元気を」

 錣山部屋には幕下・聖冴(せいご)(本名・齋藤聖冴)、三段目・川渕(本名・川渕一誠)の金沢学院大附高OB2人が在籍している。立田川親方は「部屋は違うが、遠藤や炎鵬もいる。先輩に追いつけ追い越せの心で被災地に元気を届ける力士になってほしい」とエールを送った。

 金沢学院大附高出身で角界入りするのは12人目となる。徳田哲雄監督は「入学時からの伸びは大きかった。相撲が好きな生徒で、心も体も成長した」と振り返り、さらなる成長を願った。

 正月の地震では自宅が断水し、町役場まで水をくみに行ったりしたという濱田選手。「石川県を元気にできる相撲をとりたい」と被災地への思いもにじませながら「関取になることが第一の目標。大の里関と欧勝海関ともいずれは対戦したい」と語った。

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