火事発見→通報→家人背負い避難 大学生2人に砺波消防署が感謝状

感謝状を手にする吉田さん(中央)と馬場さん(左)=砺波市の砺波地域消防組合消防本部

 砺波消防署は19日、昨年12月に砺波市東開発で民家が全焼した火事で危険を顧みず火元の家人を背負って早期に避難させたとして、砺波市と小矢部市の大学生2人に感謝状を贈った。

 感謝状を受け取ったのは砺波市庄川町金屋、金沢星稜大1年吉田泰士さん(19)と小矢部市八和町、金城大1年馬場悠輔さん(19)。

 2人は昨年12月22日午後6時25分ごろ、砺波市東開発の民家火災で、車で遊び先から帰宅途中に火事に気づいた。2人は高校時代の友人で、馬場さんが119番通報し、いち早く現場に向かった。吉田さんは迫り来る火炎や煙の中で、正面玄関でうろたえていた家人の80代女性を背負って近隣宅まで素早く避難させた。

 民家は全焼したが、2人の勇気ある行動で家人は逃げ出す際に右手首に擦過傷を負った程度で済み、延焼も免れたという。

 砺波地域消防組合消防本部で行われた感謝状贈呈式で加藤裕久署長が「非常に冷静で適格な対応をしていただき、献身的な気持ちもあった」と感謝した。

 吉田さんは昨年末に自宅横の神社が全焼した放火事件で近隣への呼び掛けなど何もできなかった反省を生かしたとし「特に怖さはなく、体が勝手に動いた。助けることができて良かった」と話した。馬場さんも2年前に自宅近くで火災に遭遇し、幼少の頃にも知人が火事に遭った経験があり、「助けられて良かった。今後も自分の身を大切にしながら、救える命があれば助けたい」と述べ、将来の進路選択の一つとして消防も検討するとした。

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