“功績と論争の夜”ローマの新戦力CBハイセン、前半にスーパーゴール→敵地ファンに“黙れ”ポーズ→警告→HTに交代→試合後に相手監督が苦言

今冬の移籍市場でユベントスからローマに加入した18歳のCBディーン・ハイセンが、2月18日に行なわれたセリエA第25節、敵地でのフロジノーネ戦で良くも悪くも主役となった。伊メディア『Romanews.eu』は、それを“功績と論争の夜”と表現した。

フロジノーネに押し込まれていた前半38分だった。ハーフウェーライン上でボールを受けたハイセンは、ブロック守備を組むフロジノーネに向かって単独突破を試みる。対面したCFカイオ・ジョルジを抜き去ると相手選手の隙間を縫うようにドリブルで突き進み、守備的MFルカ・マッツィテッリをかわしてペナルティーエリアの外からミドル。これがゴール右隅に突き刺さった。

劣勢が続くなか、たったひとりでゴールを決めたハイセンはローマのチームメイトにもみくちゃにされる祝福を受けた。その後、スタンドに向けて人差し指を口に当てる“黙れ”のパフォーマンス。観客を煽ったとして、ハイセンはイエローカードを受けている。

今冬にユベントスからローマにレンタル移籍したハイセンは、元々はフロジノーネへの移籍で合意に達していた。しかし、ローマから声がかかると、合意していたフロジノーネではなく、レンタル移籍先をローマに変更していたのだ。
この時、フロジノーネのエウゼビオ・ディ・フランチェスコ監督は「電話で話をしたが、彼が私と話したがった。私が話したかったのではない。その後、彼は別の選択をした。もう興味はない」と語っていた。こうした背景もあって、フロジノーネのファンはローマ戦の開始直後からハイセンがボールを持つたびに指笛を鳴らして不満を表していた。

そんな状況でハイセンがスーパーゴールを突き刺し、スタンドに向けて“黙れ”のポーズを見せた。これにフロジノーネの選手やスタンドのファンがヒートアップ。ハイセンは一層のブーイングを受けることになり、ハーフタイムでディエゴ・ジョレンテと交代した。

試合後にローマのダニエレ・デ・ロッシ監督は、「ハイセンをピッチにとどめておくのはリスクと感じたから交代させた。あのジェスチャーは残念だった。まだ彼は若い。私の娘と同じ年齢だ。彼はこれから学んでいくだろう、もう二度とすることはないはずだ」と、若きCBに失望しながらも擁護した。

一方、フロジノーネのディ・フランチェスコ監督は、「あれには腹が立った。彼の顔を平手打ちしたいとも思ったよ。でも私の三男と同じ年齢だ。ただ、相手への敬意を忘れてはいけない」と苦言を呈した。

構成●THE DIGEST編集部

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