九州整備局/阿蘇立野ダム完成式典開く、本体施工は西松建設JV

九州地方整備局が、白川沿川の洪水被害の防止・軽減を図るため熊本県南阿蘇村と大津町で進めていた立野ダム建設事業の完成式典が17日、同村立野のダムサイトで開かれた。同ダムは直轄事業では初となる洪水調節専用(流水型)ダム。国機関や地元自治体、施工者ら関係者多数が式典に出席し、新たに命名された「阿蘇立野ダム」と記されたゲートを除幕=写真=するなどして、建設事業着手から41年での完成という節目を祝った。
式辞で斉藤鉄夫国土交通相は「治水と環境の調和を目指したダムが地域の防災力向上だけでなく、新たな観光資源として地域の活性化にも末永く寄与することを心から願う」と述べた。
蒲島郁夫熊本県知事は「ダムは災害に対する安全保障として、将来にわたり下流を豪雨災害から守る砦(とりで)として大きな役割を果たす」とあいさつ。白川改修・立野ダム建設促進期成会会長の大西一史熊本市長は「完成により流域の治水対策が大きく前進することを大変うれしく思う」と話した。
同ダムは曲線重力式コンクリートダムで堤高87メートル、堤頂長197メートル、堤体積(減勢工を含む)約43万立方メートル、総貯水容量約1010万立方メートル。堤体に放流孔を備え洪水時だけ流入した水を貯留し、平常時は自然に水を流す。8日に試験湛水を完了した。総事業費は約1270億円。本体工事は西松建設・安藤ハザマ・青木あすなろ建設JVが担当。

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