北海道旭川市/花咲スポーツ公園再整備基本構想案、民活で総合体育館建替

北海道旭川市は、花咲スポーツ公園再整備基本構想案をまとめた。耐震基準を満たしていない総合体育館を、防災機能も備えた多様な用途に利用できるアリーナとして園内の別敷地で再整備する方針を表明。再整備に当たっては、2030年度の供用開始を目指し、PFIなどの民間活力導入を検討する。
花咲町1の5にある花咲スポーツ公園は、1941年に近文公園として開設した。用地買収などで拡大し、91年に現在の名称に変更した。総合体育館や硬式野球場、陸上競技場などの各種運動施設を整備しているが、公園内の主要施設の9割以上は建設から30年以上が経過している。耐用年数を超える設備が増加し、建築物の躯体自体の劣化も進んでいることから、市では適切な対応策を検討している。
基本構想案を見ると、各施設はスポーツ拠点としての高い施設機能の水準を維持していくため、施設の老朽化状況に応じた改修や更新などの再整備を優先度を定め計画的に進めていく方針。その上で、プロバレーボール・ヴォレアス北海道の拠点となっている総合体育館については、防災機能強化や屋内練習場、商業施設などの新たな機能を加え、多様な用途に利用できるアリーナとして園内の別敷地で再整備する。
新アリーナは、2200平方メートル以上のメインアリーナと700平方メートル以上のサブアリーナ、300平方メートル以上の多目的室を確保。メインアリーナは5000人以上を収容できる観客席を設け、多用な目的に対応する照明や音響設備を整備する。このほか会議室や控室、トレーニング室、キッズルーム、ランニングコース、売店などの機能を検討する。
整備に当たっては、PFIなどの民間活力導入を視野に入れており、24年度にPFI導入可能性調査を実施する。24年度末~25年度初めに整備手法を決定し、民間活力導入の場合、25年度に事業者を選定する。26~29年度に設計、建設を進め、30年度の供用開始を目指す。
総合体育館以外では、▽スタルヒン球場▽陸上競技場▽テニスコート▽軟式野球場▽弓道場▽洋弓場-は現在の施設水準を維持し、施設改修や設備更新を計画的に実施する。▽球技場▽プール▽馬場▽相撲場▽メインアプローチ▽遊戯施設▽駐車場-については、廃止も含め施設機能の見直しを検討する。
再整備基本構想は23年度末に成案化し、24年度に新アリーナ基本計画を策定する方針。その後25年度に新アリーナ基本計画と既存施設の改修計画を取りまとめた公園全体の再整備基本計画を策定する。

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