日本では政党に関する定義なし、だからこそ問題が横行…今こそ必要な“政党法”

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG(モニフラ)」(毎週月~金曜6:59~)。「New global」のコーナーでは、“政党法の必要性”について取り上げました。

◆政党を規制する公的なルールがない!?

"政党法”とは、政党とは何かを明文化するもので、2013年、経済同友会が「政党を規制する公的なルールがないに等しい」と導入を提言しています。その提言のなかには、政党の位置付けを"私的団体”から"公的団体”とすることや政党交付金の見直し、さらには業界に献金を強いるおそれのある職域支部の禁止などが盛り込まれています。

現状、日本では政党に関する定義はされていません。一方、憲法で規定している国もあり、例えば、イタリアは「全ての市民は自由に政党を結成する権利を有する」とし、フランスも「政党及び政治団体は自由に結成され、自由にその活動を行う」としています。また、韓国やドイツでも基本的に政党の設立は自由となっています。

東京大学のマッケルウェイン教授が各国の憲法典を調査・解析したところ、政党を盛り込んでいる憲法は82.7%。政党を設立する権利に関して定義されているものが58.9%。1つ以上の政党を禁止していることを盛り込んでいる憲法は28.9%だったそうです。

ドイツでは1967年に政党法が導入されており、そこには政党への国庫補助を得票数などに応じて分配することや政党資金に関する規定として資金の出所・使途・政党の資産を事実に即し会計報告書で公開、監査証明書も提出すべきとしています。さらに、ロシアにも政党法はあり、政党の資金や寄付のあり方について定義しています。

◆「政党法」は必要?

国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんは、政党法や昨今の国内政治の状況について、最近観ているというNHK連続テレビ小説「おしん」の背景と絡めて言及。「『おしん』の世界では"家”というものが重くのしかかり、個人よりも家。しかも、何が家なのかは明文化されず、透明性もないまま、大奥様など(権力者が)ほしいままにするにも関わらず、誰もそのなかで文句を言えず、ただ自分が攻撃されることを恐れる変な村的意識があった。これが日本中を覆うだけでなく、おそらく政党政治にも持ち込まれ、今の政党にも世襲されている気がする」と指摘。「だから、ここで我々が議論するも、自民党としては『みんなに教えていないルールもある』みたいな、(おしんの世界の)"家”のよう」と持論を展開します。

モデルでタレントの藤井サチさんは、「今回の(自民党の)裏金問題にしても自分たちが有利になるように事を持っていっている感じがするので、政党法は絶対に必要」と訴えると、キャスターの堀潤は「党の改革に委ねるのではなく、きちんと立法のなかでルールを作ってほしい。(政党法の導入は)そういう願いからです」と望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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