ルッキズムという言葉をご存じでしょうか? いわゆる「外見至上主義」で、外見でその人の価値を決めてしまうというものです。悲しい事に、この外見至上主義による差別はまだまだ後を絶ちません。筆者の友人A子さんから聞いた、ルッキズム差別のエピソードをご紹介します。
ギャルになりたい! ふくよか体型の友人の夢
私が高校生の頃、仲が良かったA子さんはかなりふくよかな体型でした。
性格は底抜けに明るいので、イジメなどとは縁がなく、友人も多い人でした。
そんな彼女の憧れは、がっつりメイクに派手な服の「ギャル」。
放課後に友人達にメイクをしてもらうと、かなりギャルっぽく変身できたのです!
A子さんは嬉しくなって、そのまま服を買いに行くことにしたのですが……。
明らかにおかしい店員の視線
初めてギャルの服屋さんに入ったのですが、「いらっしゃいませ!」の一声の後、明らかに店員がこちらを何度も見てくるのです。
店員の視線の先は、A子さん。
店員同士でアイコンタクトをとり、何度もA子さんを見ては苦笑いしていたのです。
それに気付いた私は、「もう店を出よう」とA子さんに声をかけました。
しかし、A子さんは店員の悪意に全く気付いておらず、
「これのXLサイズありますか!?」
そう元気よく店員に声をかけたのです。しかし……
馬鹿にされた! 悔しい思いのまま、店を出ることに
「うちのブランドはSとMしかないんでー! 大きいのもMまでしかないんでー」
半笑いのまま、A子さんの声に被せるように言ってきました。
明らかにA子さんの体型を馬鹿にした態度だったのです。
そんな対応にA子さんも気付いたようで、そのまま店を出ることになってしまいました。
翌日友人達に話すと、全員が大激怒!
笑って話すA子さんでしたが、間違いなく傷ついているはず。
彼女が落ち込まないよう、ひたすら皆で慰めたのでした。
苦い経験をバネにして! 輝くA子さんがかっこよすぎた!
高校卒業から十数年経ったある日、久しぶりに皆で集まる事になったのです。
まさに十数年ぶりの再会。
バリバリ働いている人から、結婚して子どもがいる人まで様々でした。
その中に、懐かしのA子さんの姿が!
相変わらずふくよかな体型ではありましたが、変わらない笑顔に一安心しました。
そして彼女はなんと、自分で服屋さんを立ち上げていたのです!
それもサイズ展開が豊富な服を扱うお店で、憧れていたギャル服も取り揃えていました。
「好きな服を着たいって気持ちは、誰も馬鹿にしちゃダメなのよ。他人は関係ない。自分の好きな服に包まれて最高に幸せ!」
そう話すA子さんは、本当に素敵な笑顔で輝いていました。
まとめ
自分の「好き」を貫いている姿が、本当にかっこいいと思いました。
周りの目や言葉に傷付くこともありますが、自分の気持ちに正直になるという事は大切ですね。
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
ltnライター:Yuki.K