茨城県内グルメ 頂点へ火花 水戸で10月「総選挙」 先行8市町、試作品お披露目

試食会でアンコウのスープを披露する大洗町の関係者ら=水戸市梅香

茨城県水戸市で今年秋に開かれるご当地グルメの総選挙をにらみ、県内自治体が新メニュー開発に力を注いでいる。先行する8市町が地元事業者と創作した料理やスイーツの試食会を開き、特産品を生かした多彩な試作品を披露するなど取り組みが進む。地域の新たな観光資源創出へ向け、「頂点」を狙う各市町村が火花を散らしている。

ご当地グルメ総選挙は10月12~14日の3日間、水戸市の県三の丸庁舎を会場に「シン・いばらきメシ総選挙2024」として、県が実施する。各市町村が地域を代表する新たな料理やスイーツを持ち寄り、参加者による投票で茨城県グルメのナンバーワンを決める初めての取り組みだ。

「ほとんどの県内自治体が出場に名乗りを上げている」(県地域振興課)中で、希望のあった8市町には県が食の専門家を派遣し、新メニューの開発を後押ししている。15日には水戸市梅香のJA会館で、8市町による新商品の試作品がお披露目された。

大洗町は飲食店「朝日堂」とともに、アンコウを使ったスープ開発を進める。県から派遣されたフレンチレストラン「オー・ボン・ヴィヴェール」(水戸市)の佐藤正信シェフの助言を受け、若年層も気軽に食べられる商品として仕上げる予定だ。

朝日堂の平戸孝二さんは「トップを目指す」と自信を示し、「祭りやイベントでの提供はもちろん、大洗町内の各店舗で提供する商品として売り出せたら」と意気込む。

五霞町は交流サイト(SNS)などで人気の料理家「ぐっち夫婦」から指導を受け、道の駅ごかと協力し洋菓子開発に取り組む。ワッフルとサツマイモのクレーム・ブリュレを組み合わせ、新たな土産品誕生を目指す。日立市もシラスや茂宮かぼちゃを使ったあんかけ料理で「市内各店が幅広く活用できるグルメ」(市観光物産課)開発に挑む。

総選挙に出品するメニューは、地域の食材を活用することが条件。「一般料理」と「スイーツ」の2部門で選ばれると、県が首都圏を中心にフェアや集中的なプロモーション展開などにより、強力に売り込みを図る。

県地域振興課は「総選挙を起爆剤として新たなグルメを生み出し、誘客につなげたい」と、食を通した地域振興や観光資源創出に期待を込めている。

■県が開発を支援する8市町の新グルメ
市町村 メニュー      主な食材
水戸市 チーズ使用スイーツ チーズ
日立市 あんかけ料理    シラス、茂宮かぼちゃ
笠間市 ハンバーガー    常陸牛、クリ
鹿嶋市 豚丼        かしまし豚
大洗町 食べるスープ    アンコウ
河内町 スパイス料理    チョウザメ、レンコン
五霞町 洋菓子       サツマイモ、米粉
境町  スイーツサンド   干し芋、ユメカオリ

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