欄間とギターコラボ、斬新な楽器制作へ 南砺・井波彫刻協同組合と東京の職人、CFで費用募る

欄間ギターをPRする花嶋理事長(左)と大野事業部長=井波彫刻総合会館

 富山県南砺市の井波彫刻協同組合(花嶋弘一理事長)が、東京在住のギター職人と共同で、欄間をベースにした楽器「欄間ギター」を形にするプロジェクトを発足させた。斬新な伝統工芸品を発信するのが狙いで、制作費はクラウドファンディング(CF)で募る。資金が集まれば、8月に同市福野地域で開かれるワールドミュージックの祭典「スキヤキ・ミーツ・ザ・ワールド」での披露に向け制作を本格化させる。

 プロジェクトは、2年ほど前に知人を介して井波彫刻のことを知ったギター職人の津田佳幸さん(33)が昨年、組合に打診したことがきっかけ。組合や井波彫刻師が手がけた作品の中に、獅子頭や炎をまとった龍をモチーフにした独創的なギターがあると分かり、互いの技術を組み合わせたエレキギターの制作を思い付いたという。

 組合の大野勝人(まさと)事業部長(58)が図案を担当した。意匠は井波彫刻の伝統模様「老松」をあしらう。大きさはギター用に通常の欄間より一回り小さくし、長さ150センチ、幅33センチ、厚さ5.4センチにする計画。重さは5、6キロほどに抑える。材料はクスノキを使う。

 21日からCFサイト「CAMPFIRE(キャンプファイヤー)」で費用を募る。目標額は330万円。3千円~50万円までのコースがあり、木彫りのピックホルダーや紙札立てなどの返礼品を用意する。3月31日まで受け付け、目標額に達すれば制作を始める。

 花嶋理事長は「思いも寄らないアイデアでありがたい。目標額に達すればいい仕事で返したい」、津田さんは「伝統技術の素晴らしさや価値を国内や世界に伝えるきっかけにしたい」と話した。 

欄間ギターの完成予想図

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