能登半島地震/北陸整備局、輪島港(石川県輪島市)で海底地盤の浚渫作業着手

◇施工は五洋建設・東亜建設工業・東洋建設JV
国土交通省北陸地方整備局は16日に能登半島地震で被災した石川県輪島市の輪島港で漁船だまりの啓開作業に着手し、同日に現場を公開した。同港を管理する県からの権限代行事業として、浅い範囲で3~4メートルあった水深が約1メートル隆起した海底地盤を約1~2メートル掘り下げる浚渫工事を行い、漁船の移動や陸揚げが可能になる水深を確保する。北陸整備局と災害協定を結ぶ日本埋立浚渫協会(埋浚協)を介し、五洋建設・東亜建設工業・東洋建設JVが施工する。
作業は同日午前10時30分に開始。石川県港湾漁港建設協会会員の喜多組が所有する160トンつりクレーンを搭載した起重機船で土砂をすくい、運搬船に移した。北陸整備局によると、1日当たり300立方メートル分程度除去し、漁船の移動などが可能になる水深3メートル程度を確保する計画だ。
浚渫工事は海底の土砂の量や状態、地形によってスピードが異なる。海底地盤の隆起によって座礁した約200隻ある漁船にかかる時間も分からないため、工事完了の時期は未定。
同JVの星子藤夫作業所長(五洋建設)は「浚渫作業は冬季の作業、狭隘(きょうあい)な施工場所、地盤が固く困難になることが想定されるが、能登半島の主要産業である漁業の早期再開に向け、JV企業が一丸となって取り組んでいきたい」と話した。
北陸整備局は輪島港の啓開作業に続き県から港湾管理の権限代行を受け、今月下旬に同県珠洲市の飯田港で転覆した漁船15隻を引き揚げ移動させる作業も予定している。施工は埋浚協を介し、五洋建設が担当する。

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