英カリーズ、エリオットと中国JDによる買収合戦に発展の様相

Sarah Young

[ロンドン 19日 ロイター] - 英家電量販店カリーズを巡り、アクティビスト(物言う株主)として知られるヘッジファンドの米エリオット・アドバイザーズと、中国電子商取引大手JDドット・コム(京東商城)が買収合戦を展開する様相になっている。

先行したのはエリオットでカリーズに対して7億ポンド(8億8300万ドル)、1株当たり0.62ポンドの買収を提示。ただカリーズは17日、大幅な過小評価だとしてこれを拒否した。

その後19日には、JDドット・コムもカリーズ買収に関心があると認めると、カリーズの株価は一時38%急伸して0.65ポンドを付けた。

JDドット・コムは、現在は買収の可能性についての検討作業のごく予備的な段階にあるとコメントした。

これに対してエリオットも新たな提案を考えていると表明した。

アナリストの分析では、カリーズの企業価値が低迷していることが、買収提案につながったもようだ。

カリーズは過去2年間思うように成長できず、新型コロナウイルスのパンデミック期間に需要が急拡大した反動や、インフレによる消費者の所得減少が響いて売上高は落ち込んでいる。

エリオットとJDドット・コムが買収意欲を示す前まで、カリーズの株価は2年にわたって54%も下落していた。

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