上司から「お前ちゃんと実家にお金入れろよ」と言われたのですが、実家在住でもない限り「少数派」ですよね?

実家への仕送りをしている人は少数派

厚生労働省が実施した「令和元年国民生活基礎調査」の結果では、仕送りの状況についてのデータが公表されています。これによると、親に仕送りをしている世帯の割合は、約2.4%でした。

年齢別にみると、世帯主が29歳以下の世帯のうち、親へ仕送りをしている世帯の割合は、約5.1%となっています。30〜39歳の世帯では、約2.9%です。

上司から実家にお金を入れろと言われる年代は、おおよそ20〜30代とみられます。このあたりの年代で親に仕送りをしている世帯の割合は全体と比較すると多いものの、それでも1割にも満たない程度です。同調査結果をみる限りは、確かに親に仕送りをする人は少数派といえるでしょう。

親の介護施設などへの入所や入院にかかる費用を仕送りしている世帯を除くと、全体では約1.8%と、さらに割合は少なくなります。実家から離れて暮らしており、親の一般的な生活費に充てるためのお金を実家に入れている人は、非常に少ないのが現状です。

実家への仕送り金額の相場

令和元年国民生活基礎調査の結果によると、親への仕送り金額の平均は5.4万円でした。世帯主が29歳以下の世帯では3.5万円、30〜39歳では4.4万円となっています。世帯主が29歳以下の世帯において、親へ仕送りをしている金額のボリュームゾーンは、2〜4万円未満でした。30〜39歳の世帯でも同様の結果です。

お金に関する調査はさまざまあり、その平均はボリュームゾーンとは差があるケースが珍しくありません。より多くの収入を得ていたり支払いをしていたりする人が、平均を引き上げているためです。

ただ、親への仕送りに関しては、平均とボリュームゾーンがほぼ一致しています。収入や貯蓄、生活費などとは異なり、親への仕送りに対しては、そこまで多くのお金を費やす感覚を持っていない人が多数を占めているといえるでしょう。

無理がない程度に仕送りを検討してみよう

実家から離れて暮らしている人で親へ仕送りをしているのは、統計データをみる限り、確かに少数派です。親に仕送りをするほどお金に余裕のある人があまり多くはない可能性もあるでしょう。

生活費で給与がなくなってしまう人もいれば、まずは自分のためにお金を使いたいという人も少なくありません。結婚していたり子どもがいたりする場合は、親へ仕送りをする余裕がさらになくなる人も出てきます。毎月の家計は黒字でも、教育資金や自分の老後資金など、将来のためにお金を貯めておくことももちろん大切です。

生活費や預貯金などを考慮し、もし余裕があれば実家へお金を入れてみましょう。上司の若い頃と今の自分の生活環境や置かれた状況が同じとは限りません。上司からの言葉は参考程度にとどめておくのも、一つの受け止め方です。

無理をして仕送りをした結果、自分の生活が苦しくなってしまっては意味がないでしょう。社会人として、実家への仕送りに対しても、自分の収支に見合った判断ができるかどうかが求められます。

実家にお金を入れている人は少数派

親へ仕送りしている世帯の割合は、わずか2.4%ほどです。29歳以下では5.1%ほどと多くなりますが、それでも1割にも届きません。結婚や子育てでお金がかかりやすい30〜39歳の世帯では2.9%ほどと、割合が下がります。

親への仕送り金額の平均は5.4万円ですが、そこまで余裕のある世帯は多くはないでしょう。親への仕送りは素晴らしいことですが、収入と支出を考慮し、無理のない程度にしましょう。

出典

厚生労働省 令和元年国民生活基礎調査 仕送りの状況 仕送りをしている世帯数-1世帯当たり平均仕送り額,仕送り額階級・仕送り先別

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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