給食の「コスパ」ってどのくらいよかったの? 「コンビニ弁当」と年間費用を比較してみた!

学校給食の年間費用

文部科学省が実施した「令和3年度学校給食実施状況等調査」によると、保護者が負担する学校給食費の平均月額は小学校で4477円、中学校で5121円です。給食費月額は保護者の年間負担額を11ヶ月で割った額であるため、年間費用は小学校で4477円×11ヶ月=4万9247円、中学校で5121円×11ヶ月=5万6331円となります。

なお、令和3年度の給食実施回数は小学校が192回、中学校が188回でした。このことから1食あたりの学校給食費は小学校が約5万円÷約190回=約260円、中学校が約5万6000円÷190回=約290円であることが分かります。学校給食のコストパフォーマンスのよさは一目瞭然です。

コンビニ弁当の年間費用

コンビニ弁当の価格は購入するコンビニエンスストアや商品によって異なりますが、今回は最もシンプルな幕の内弁当を例に挙げます。コンビニエンスストア大手3社の幕の内弁当の価格を調査したところ、平均価格は508円(税込み)でした。

学校給食と公平に比較するため、令和3年度の小学校の給食実施回数約190回を用いて計算すると、コンビニ弁当の年間費用は508円×190回=9万6520円です。小学校の学校給食のほうが年間4万円以上安いことが分かりました。

また、学校給食は1食あたりのカロリーや栄養素がすべて計算されており、栄養バランスが整っています。メニューもバラエティーに富んでおり温かい汁ものやデザートが提供される日もあります。そのような意味でも学校給食はコストパフォーマンスがよいといえるでしょう。

学校給食が安い秘密

小中学校の学校給食は、1食あたり約260~300円前後と驚異的なコストパフォーマンスのよさです。しかし、当然ながらこの価格でバランスのよい食事を作れるはずがありません。紹介した学校給食費はあくまでも保護者が負担する分です。学校給食が安い理由は、学校給食法第11条に答えがあります。

学校給食法第11条には、「学校給食の実施に必要な施設及び設備に要する経費並びに学校給食の運営に要する経費のうち政令で定めるものは、義務教育諸学校の設置者の負担とする」とあります。調理施設の維持費や人件費などは学校の設置者、つまり自治体が負担するという意味です。

さらに「前項に規定する経費以外の学校給食に要する経費は、学校給食を受ける児童又は生徒の学校教育法第十六条に規定する保護者の負担とする」と続きます。保護者が負担するのは調理施設の維持費や人件費以外、つまり食材費のみということになっているのです。

学校給食は無償化の流れに

学校給食とコンビニ弁当を比較すると、学校給食のほうが年間4万円以上安いことが分かりました。学校給食が安い理由は、保護者が負担しているのは原則として食材費のみだからです。ここ数年、給食無償化を実施する自治体が増えてきました。

今後、学校給食無償化の流れは全国に広がると予想されます。現在でもコストパフォーマンスのよい学校給食ですが、全国どこでも無償化が当たり前になれば子どもを育てる家庭にとっては心強いでしょう。

出典

文部科学省 学校給食実施状況等調査
e-Gov法令検索 学校給食法

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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