3月30日に公開される映画『成功したオタク』の予告編と本ビジュアルが公開された。
本作は、韓国芸能界を震撼させた性加害事件をきっかけに制作されたドキュメンタリー映画。あるK-POPスターの熱狂的ファンで、「推し」に認知されテレビ共演も果たし「成功したオタク」と呼ばれたオ・セヨン監督が、推しの逮捕をきっかけに同じような経験をした友人たちの話を聞きに行き、真の「成功したオタク」とは何なのかを問う。
公開された本ビジュアルは、アニメーション作家、イラストレーターのぬQによるイラストが使用されたもの。ぬQは、「信頼や信仰、心の拠り所が、ある日を境になくなってしまった！ どうしよう！ という混乱やショック。魂を費やした時間や思い出が輝く間欠泉のように吹き出している様子を描きました」と語る。
また、ティザービジュアルに引き続き、本ビジュアルのデザインも担当した潟見陽は「推しへ胸躍るときめきが裏切られ、複雑な悲しみを抱えることになったファンの気持ちを、絶妙なテイストでアーティストのぬQさんが描いてくださり、そのイラストをかつてのアイドル雑誌のフレームに入れることで、”無邪気に幸せだったあの頃が残酷にさえ思えてくる”そんなファンの心境を刻印するように表現してみました」とコメントを寄せた。
あわせて公開された予告編は、推し活が人生の全てだったオ・セヨン監督による「私は○○のファンで、“成功したオタク”だった」という独白から始まる。その後挟まれる、「性的動画拡散の疑いで○○氏に逮捕状が出ました」というニュース映像。突然「犯罪者のファン」になってしまった彼女は受け入れ難い現実に苦悩し、混乱の中自分は被害者なのか加害者なのか悩み、同じような経験をした友人たちに会いに行く。彼女たちは何を語るのか、本当の意味での「成功したオタク」とは何なのか。
さらに、推しの影響で買ったはいいが壊れて仕舞い込んでいたギター、推しへの思いを綴ったかつての日記、長年大切にしてきたグッズにお別れする儀式など、「誰かのファンというアイデンティティを持って生きてきた年月は、そうでなかった時代よりも長い」と語る監督の「推し活とその終焉」を示す光景が切り取られた新場面写真も公開された。
（文＝リアルサウンド編集部）
