【阪急杯】参考レース振り返り 好相性の阪神C組ウインマーベルや3連勝で勢いづくアサカラキングに注目

ⒸSPAIA(撮影:三木俊幸)

阪神芝1400mが舞台

阪神競馬場の開幕週、芝1400mを舞台に争われる阪急杯はGⅠ高松宮記念に向けても重要な前哨戦。出走を予定している馬たちの主な参考レースを過去10年のデータとともに振り返っていく。

京都金杯【データ:A メンバーレベル:C】

過去10年の成績【2-1-1-9】勝率15.4%、連対率23.1%、複勝率30.8%

2022年ダイアトニックなど最多タイの2勝をマークしており、高い好走率を残している。

レースは、ドルチェモアが後続を引き離して逃げ、前半800m45.3というハイペース。ゴール前はセッション、トゥードジボンのさらに内を突いたコレペティトールが一気に差し切って重賞初制覇を飾った。勝ちタイムは1:33.8だった。

ルプリュフォールは道中最後方から、直線は馬群を割って伸びるも1.0秒差の9着に終わった。1400mは合っているものの、展開に左右される追い込み一辺倒の脚質が、開幕週でどうかだ。

阪神C【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【2-4-1-21】勝率7.1%、連対率21.4%、複勝率25.0%

阪急杯と同舞台で行われるレースで、最多タイの2勝。出走頭数が多いこともあるが、最も多く3着内への好走馬を送り出しているレースだ。

ウイングレイテストが逃げるも、2番手ピクシーナイトが掛かり気味に上がっていき、前半600m通過は33.1というハイペースで流れた。5番手の外からレースを進めたウインマーベルが直線ジリジリと伸び、グレナディアガーズとアグリの追い上げを封じて1:19.3というタイムで勝利した。同馬は2022年スプリンターズSで2着など、実績上位の存在であるのは間違いない。

4着グレイイングリーン(抽選対象)は道中13番手のインを追走。直線は進路を探しながらも馬群を割って伸び、0.2秒差という結果だった。4勝全てが1400mと得意距離で、阪急杯も2022年5着、2023年4着と2年連続で掲示板に載っている舞台。今回も展開一つでチャンスはある。

ニューイヤーS【データ:B メンバーレベル:C】

過去10年の成績【0-1-0-2】勝率0.0%、連対率33.3%、複勝率33.3%

ニューイヤーSからの参戦は近10年で3頭と少ないが、2021年にはミッキーブリランテが10番人気2着と波乱を演出した。

突如、雪が降り始めた中で行われたレースは、最内枠からモントライゼが好スタートを決め、アナゴサンとの先行争いを制して逃げる展開。道中3番手のインから運び、直線最内の狭いところを抜けてきたパラレルヴィジョンが突き抜けて勝利した。

1番人気に推されたダノンティンパニーは10番手のインで脚を溜め、直線では最内のスペースを狙ったが勝ち馬に入られてしまい、詰まる不利があっての5着。それでも条件戦を連勝してきた内容から、重賞でも通用する素質は秘める。2、3勝クラスと勝利した阪神芝1400mに戻るのも歓迎材料だ。

シルクロードS【データ:B メンバーレベル:B】

過去10年の成績【1-1-0-19】勝率4.8%、連対率9.5%、複勝率9.5%

2018年ダイアナヘイローが7番人気で勝利したのを最後に3着内に好走した馬は出ておらず、掲示板に載った馬すらいない。

スタート後、気合をつけてハナを奪い切ったテイエムスパーダが600m通過33.4というラップを刻む。2馬身離れた2番手からレースを進めたルガルが残り200mで堂々先頭に立つと、後続に3馬身差をつける完勝。1:07.7というタイムで重賞初制覇を飾った。

サンライズロナウドは道中9番手のインを追走し、直線もロスなく立ち回ったが0.8秒差の4着だった。1200mよりは1400mが合いそうなタイプで、再度の距離延長はプラスだろう。

ホープフルサインは4角16番手で直線に向いたが、勝ち馬からは1.5秒差の15着だった。

山城S【データ:なし メンバーレベル:D】

過去10年で出走なし

2月4日に京都芝1400mで行われた3勝クラスの山城S。好スタートからハナを奪い、前半600mを34.0で通過したアサカラキング。直線は馬場の内を避けて外へと進路を取ると、後続を寄せ付けず、0.4秒差をつける完勝で3連勝を飾った。

勝ちタイムは1:20.9、徐々に距離を短縮してきての近2戦が好内容で、充実期を迎えた。今なら重賞で勝ち負けしても不思議はない。

ライタープロフィール
三木俊幸
編集者として競馬に携わった後、フリーランスとなる。現在はカメラマンとしてJRAや地方競馬など国内外の競馬場を飛び回りつつ、ライターとしても執筆している。



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