子どもの責任は誰が取るのか
自分の子どもが友達のゲーム機など、他人のものを壊した場合、その責任は親が取らなくてはいけません。
法律では民法第712条においては、「未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。」と明記されていますが、民法714条において「責任無能力者がその責任を負わない場合において、その責任無能力者を監督する法定の義務を負う者は、その責任無能力者が第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。」と記載があります。
これらによって、子どもが起こしてしまった損害の弁償は親であることが分かるでしょう。
そのため、法律の観点から考えても基本的には子どもが友達のゲーム機を壊した場合は「責任無能力者を監督する法定の義務を負う者」、つまり親が代わりに責任を取らなくてはいけないのです。
知っておきたい「個人賠償責任保険」
他人の物を壊してしまった際に役立つのが個人賠償責任保険です。この保険は、契約者本人だけでなく、同居家族や別居の未婚の子どもなども対象となるため、今回のケースでも利用できるでしょう。ただし、ゲーム機を借りていた場合は、保険の対象外となるため注意しましょう。
責任の取り方は
具体的な責任の取り方について、まずは相手に謝罪に行くことが大切です。直接謝罪に行くことで誠意を伝えられるでしょう。そのうえで相手と話をして具体的な弁償方法を決めます。
ゲーム機を壊してしまった場合は新しいものを購入するか、修理代を出すことが考えられますが、どちらの方法を相手が希望しても、壊してしまった子どもの親が責任を持って全額払うつもりでいなくてはいけません。
なお、中には相手から弁償を辞退する旨を伝えられることもあるでしょう。前述したように基本的には法律の観点から考えても壊した子どもの親に弁償の責任がありますが、相手側が弁償を求めない可能性もあります。その際は支払いの義務は発生しませんが、まずは全額弁償する意思を示し、誠意を伝えることが重要です。
相手の気分を損ねるような言動には十分注意しましょう。たとえば、「子どもがやったことなので」といったような無責任な言葉は相手のものを壊した側が言うべきではありません。また、賠償金額を安くしてもらえるように頼む行為もしないように気を付けましょう。
このような失礼な言動をとることで相手の怒りを買い、大きな問題に発展してしまう可能性もあります。どこまで弁償することになるのかは相手の判断にもよるため一概にはいえませんが、まずはやってしまった行為を謝り、弁償する気持ちを伝えることが大切です。
子どもがやったことの責任は親が取ろう
子どもが友達のものを壊した場合、「子どもがやったことなので仕方ない」で済ませてはいけません。本記事で紹介したように、法律上でも親が未成年の子どもの責任を取らなくてはいけないことが明記されています。
具体的な弁償の範囲は相手との話し合いになりますが、まずは壊してしまったことを謝罪し、弁償する気持ちがあることを伝えることが重要です。また、経済的な余裕があれば、個人賠償責任保険に入っておくのもよいでしょう。
出典
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー