宇都宮大ダイバーシティ研究環境推進本部などは19日、宇都宮市峰町の同大峰キャンパスで、研究環境の多様性実現などをテーマにシンポジウムを開いた。京都産業大の伊藤公雄(いとうきみお)教授が男性の視点からみたジェンダー平等の意義をテーマに基調講演した。
宇都宮大は2018年度、女性研究者の活躍などを支援する文部科学省の補助事業に採択された。最終年度となる本年度、総括としてシンポジウム「ダイバーシティ研究環境実現イニシアティブ(先端型)~6年間の成果と今後の展望」を開催。教職員ら約60人が参加した。
伊藤教授は男性の生き方や意識を分析する男性学・男性性研究が専門。日本の経済や学術研究の停滞の背景に「ジェンダー平等を筆頭に多様化する社会への対応の遅れがある」とした。
同時に、従来の男性主導社会が変化していく中、何かを奪われている感情に悩む男性が増えているとして、男性のケアや相談窓口拡充の必要性を訴えた。
多様な視点がある環境が新たなアイデアを生むとして、女性参画の重要性を強調。「身近な組織や社会を元気にする点でもジェンダー平等の問題を考えてほしい」と話した。