【保存版】漬けるだけ!「安くて硬い肉を柔らかくする食材&方法」超かんたん裏ワザまとめ

固めのお肉がやわらかくなる!

安い肉を買ったはいいものの、調理してみたら硬くてあまり美味しくなかった……。そんなこと、ありませんか?

せっかくなら、安くても美味しくお肉を食べたいというアナタに朗報!あるモノで漬け込むだけで、硬い肉が柔らかくなり、美味しくできちゃう裏技があるんです。

どれも実践しやすいものばかりなので、気になったものがあれば試してみましょう!

●酵素の力で柔らかく

食材には肉を柔らかくする酵素を持つものがいくつもあります。どの酵素も肉が硬くなる原因である肉の繊維をほぐしてくれ、なおかつ旨味がアップする効果をもたらしてくれるものが多いんですよ。

玉ねぎ

玉ねぎ

玉ねぎには「プロテアーゼ」という酵素が含まれています。この酵素が、肉が硬くなる原因の一つの筋繊維を破壊。肉を柔らかくしてくれるそうです。さらに、肉のタンパク質をアミノ酸に分解するため、旨味もUP!

肉を柔らかくするためには、まず玉ねぎをすりおろします。次にすりおろした玉ねぎに牛肉を30分から1時間程度漬け込んだら準備は完了。時間に余裕があれば、半日ほど漬け込むことで、さらに柔らかさと旨味が増すそうです。

塩麹

塩麹に含まれる麹菌は、玉ねぎと同じ「プロテアーゼ」という酵素を持ち、筋繊維をほぐしてくれ、旨味が増す効果が期待できます。また、塩分量が多いため、漬け込むことで保存性が高まるというメリットも。すぐ肉を食べないときは塩麹に漬けておくのが便利ですね。

漬け込む時間は20~30分程度で十分柔らかくなるそう。注意点は塩麹をそのまま焼いてしまうと焦げ付いてしまうこと。キッチンペーパーなどで拭き取っておいて、後から拭き取った塩麹をソースとして調理すると無駄なく楽しめます。

舞茸

実は舞茸にも酵素「プロテアーゼ」が含まれています。しかも、舞茸は料理にも活用しやすいですからお手軽ですね。

漬け込み方も簡単!刻んだ舞茸を水に入れて、肉を漬け込むだけ。肉の厚みや硬さによって時間は変わりますが30~60分くらいが目安です。薄切り肉であれば10分程度で十分柔らかくなります。

ショウガ

ショウガにはたんぱく質を分解する「ジンギパイン」という酵素が含まれていて、肉をしっとり、柔らかくしてくれます。さらに肉の臭みを消す効果も。ちなみにチューブ入りのショウガは加熱済みのため、酵素の働きが期待できません。生のショウガを使うようにしましょう。

漬け込み方は、ショウガをすりおろして絞り汁を作り、30分ほど漬け込めばOK。生姜焼きを作るときに実践するのがおススメです。

味噌

和食に欠かせない味噌にも「プロテアーゼ」が含まれています。そのため、味噌で漬けたお肉が柔らかくジューシーになるんですね。しかも、味噌には食材の臭みを取る効果もあるので、一石二鳥です。

厚さのある肉であれば30分から1時間、生姜焼き用のロース肉であれば15分程度で、しっかり柔らかくなります。味噌ならばそのまま調味料として使えるので実践しやすいですね!

「プロテアーゼ」は果物の梨にも含まれています。果物と肉を組み合わせるのに抵抗があるかもしれませんが、カレーなどでもコクや旨味を増すための隠し味としてフルーツが使われることがありますよね。

漬け込むために、まず梨をすりおろしましょう。おススメは焼肉のお肉。下味と一緒に15分ほど漬け込むと、柔らかなお肉に爽やかな甘味がプラスされます。漬け込んでいたことを忘れて、そのままにしてしまうと肉の分解が進み過ぎてしまい、ボロボロになってしまうので、要注意です。

パイナップル

パイナップル

肉を柔らかくするフルーツはまだまだあります。酢豚にも使われるパイナップルもその一つ。パイナップルの「ブロメライン」という酵素が、タンパク質を分解して、肉の繊維をほどいてくれるそうです。

パイナップルは缶詰でも良いですし、果汁100%のパイナップルジュースでもOK。30分~1時間ほど漬け込んでおけば、しっかり柔らかくなりますよ。

キウイ

続いては、キウイフルーツです。キウイには「アクチニジン」という酵素が含まれていて、この酵素が肉を柔らかくしてくれます。

漬け込み方はキウイをすりおろし、肉にまんべんなく塗り込み30分。それ以上漬け込んでしまうとキウイの味が移ってしまうので、注意が必要です。また、肉を焼くときにもしっかりキウイは拭き取りましょう。

●pHを利用する

pHとは水素イオン濃度を表すもので、要するにアルカリ性・中性・酸性を判断する目安。肉はほぼ中性ですが、アルカリ性あるいは酸性にすることで筋繊維がほぐれる性質があります。また、保水性もアップするので、柔らかいだけでなくジューシーな味わいになる効果も。

日本酒

日本酒

日本酒は弱めの酸性。肉を漬けることでpH値を酸性に変化させられます。一般的な日本酒であれば、どの日本酒を使用してもOK。ただ、料理酒の場合は塩分を含むので味付けに気を付ける必要があります。また、肉の臭みが取れるのもうれしいですね。

漬け込む時間は1時間から半日程度がおススメ。半日以上漬け込んでしまうと、肉の鮮度が落ちてしまうので、漬け込んだまま忘れてしまった……ということが無いようにしましょう。

ヨーグルト

肉をヨーグルトで漬け込むとpHが下がり、酸性に変化します。漬け込んだ肉は柔らかくなるだけでなく、全体的に味がまろやかになり、食材の臭みを取る効果も。

漬け込む時間は30分程度が目安です。肉を柔らかくするだけでなく、魚にも応用することができるので、いずれも試してみてください。

炭酸水・コーラ・ビール

pHを調整するのに炭酸水もお手軽です。炭酸水を使うと、肉が強い酸性に変わり、肉質が柔らかくなります。また、コーラやビールなどの炭酸飲料でも効果アリ。

コーラの場合、それ自体に甘味があるので、砂糖・みりんの代用として使うこともできます。またビールはアルコール成分が消臭効果、ビール酵母が肉のコクを増してくれる効果も。

漬け込む時間は調理前に30分ほど。炭酸水・コーラ・ビールそれぞれ使い分けができそうなので、用途に合わせて使ってみてください。ちなみに、ビールを料理に使うのがもったいないという人は発泡酒で代用できるそうですよ。

重曹

料理だけでなく、掃除でも大活躍してくれる重曹は、肉を柔らかくするのにもぴったり。重曹はアルカリ性ですから、肉をアルカリ性に変えることができます。

漬け込み方としては水に重曹を混ぜ、その中に肉を入れて30分から1時間。キッチンペーパーでしっかり水気を拭き取れば完了です。

重曹自体は少し苦みがあるので、あまり入れ過ぎない、また苦みが気になる場合は拭き取るだけでなく、洗い流してもOK。

●肉を柔らかくするさまざまな食材

肉を柔らかくする食材は上記のもの以外にもたくさんあります。冷蔵庫の中にあったり、調味料として常備したりしている方も多いと思うので、気になった方は早速実践してみてください。

ブライン液

水に塩と砂糖を溶かした調味液「ブライン液」は、肉を漬け込むことで柔らかくしてくれます。塩が肉のたんぱく質を分解して水分が中に入り込み、さらに砂糖の作用で保水力がアップ。欧米では鶏肉やターキーを柔らかくするのに使われてきました。

ブライン液の作り方は簡単です。200㏄の水に対し、塩・砂糖をそれぞれ10g。塩分濃度は5%が基本です。よくかき混ぜたら、ブライン液が完成します。漬け込み時間は4時間からひと晩がおススメ。

はちみつ

はちみつ

健康食材として注目を集めるはちみつも、肉を柔らかくする働きがあります。はちみつに含まれる糖分が肉の内部に浸透。焼いた時に肉が硬くなりにくくなります。さらに加熱することで糖分と肉のアミノ酸が反応し、きれいな照りが生まれる効果も。

はちみつを使うときは肉の表面に薄く塗るだけ。そのため、はちみつによって肉が甘くなることもありません。はちみつを塗ったらラップをして、冷蔵庫で20~30分ほど寝かせましょう。

リンゴ

リンゴには「リンゴ酸」という成分が含まれていて、肉の繊維を柔らかくしてくれる効果があります。焼肉のタレの原料にも入っているのは有名ですね。リンゴ酸は肉を柔らかくするだけでなく疲労回復、ニオイ物質を分解する作用もあります。

肉を柔らかくするには、リンゴをすりおろして使いましょう。リンゴ酸が肉全体に行き渡ります。ビニール袋などで20分ほど漬け込んでください。

牛乳

最後に紹介する牛乳も肉を柔らかくする効果があります。牛乳に含まれる乳酸は肉の筋繊維を柔らかくするし、牛乳のカルシウムは、肉のたんぱく質を分解する酵素の働きを助けてくれる効果があるんです。

漬け込む時間は冷蔵庫で2時間から3時間程度。肉はそのまま調理できますが、牛乳の味が気になる方は洗い流してから調理してください。牛乳の乳酸は熱に弱い性質があるので、短時間で調理できる料理にぴったり。

肉を柔らかくすると言っても、さまざまな食材や働きがあります。また、調味料や食材の特性によって、合う料理、合わない料理があるので、それも気を付けたいですね。

気になるものはありましたか?是非、今夜の夕食でワンランク上の肉料理を堪能してみてください。

(うまい肉/ 冴島 友貴)

© ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社