株主優待でスマホの月額料金がタダに? 新NISAで買いたいスマホ関連銘柄とは

By モバワン編集部

日本では投資で得た利益に対して20.315%の税金が課せられます。しかし、2014年に始まったNISA(少額投資非課税制度)を使えば、この税金を一定の枠内に限り非課税にすることができます。

2024年1月には保有期間や年間投資枠が拡大した新NISAがスタートし、再び大きな注目を集めています。

本記事では、格安SIMやスマホのお得な情報・最新ニュースを発信するメディア・モバワン編集部が、新NISAで買いたいスマホ関連銘柄を解説します。

個別株にも投資可能? 新NISAの制度をおさらい

新NISAに関する記事やSNSを見ると、「S&P500」というキーワードが頻出しています。これはアメリカの主要500社の株価で算出する株価指数のことで、市場ではS&P500と連動した投資信託を各社が販売しています。

ほかにも、日経平均株価に連動したものや、全世界の株式に分散投資するものなど、投資信託にはさまざまな種類が存在し、新NISAの投資先として人気を集めています。

こうした投資信託に注目が集まるあまり、「新NISAでは企業の個別株への投資はできない」と考えている人もいるようですが、そうではありません。

そこで、まずは新NISAの制度について簡単におさらいをしていきましょう。

・2023年までのNISA制度

↑金融庁「新しいNISA」から

表は、2023年までのNISA制度についてまとめたものです。以前は「つみたてNISA」と「一般NISA」のいずれかを選択する方式となっており、前者は「長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託」を購入でき、後者は「上場株式・投資信託」を購入できる仕組みになっていました。

たとえばS&P500などの投資信託を購入するために、つみたてNISAを選択した場合、一般NISAで個別株(上場株式)を購入することはできませんでした。

・新NISAの制度

↑金融庁「新しいNISA」から

一方、新NISAは従来と比較し、年間投資枠が増額されたほか、非課税保有期間が無期限になるなどの変更が行なわれています。

特に注目したいのは、一部の投資信託が購入できる「つみたて投資枠」と、個別株が購入できる「成長投資枠」を併用できるようになった点。つまり、従来とは異なり、投資信託と個別株双方に非課税枠で投資できるようになったのです。

大手通信キャリア4社の株主優待をチェック!

つみたて投資枠で投資信託を買うことのメリットは、細かな投資先を選ぶ必要がないことです。「信託」と言うとおり、投資のプロにお金を預けて運用してもらうので、深い知識がなくても良いことが大きな強みと言えるでしょう。

一方、成長投資枠で個別株を買う場合、会社の将来性を自分で判断したうえで投資することが求められます。東証プライムに上場する会社だけでも1600社を超えているので、投資先を選ぶのは一苦労です。

しかし、個別株の場合、購入した企業の株主優待を受けられるという大きなメリットがあります。これは新NISAの成長投資枠を使って株を購入した場合も同様です。

そこで、ここからはスマホ関連銘柄にスポットを当て、各社の株主優待制度を見ていきます。個別株選びの参考にしてみましょう。

・NTTドコモ(日本電信電話:9432)

↑NTTのサイトから

※2024年2月8日終値

NTTドコモを運営する日本電信電話(証券コード9432)は、継続保有の株主にdポイントを進呈する株主優待を実施しています。対象となるのは100株以上を保有する株主で、2年以上3年未満保有すると1500ポイント。5年以上6年未満保有すると3000ポイントがもらえます。

進呈されるのはこの2回のみ。合計4500ポイントに留まるため、毎年何らかの優待が得られる他社と比較すると、若干お得感に欠ける印象を受けます。

しかし、注目すべきは1株あたりの株価です。日本電信電話は2023年5月に1株を25分割したため、本記事執筆時点で179.3円と非常に安い価格となっています。100株以上保有で株主優待の権利が得られるので、1万7930円で100株を購入して5年以上保有すれば、4500ポイントを得ることができます。

・au(KDDI:9433)

↑KDDIのサイトから

※2024年2月8日終値

auを運営するKDDI(証券コード9433)では、全国のグルメから好きな商品を選べるカタログギフトが株主優待として提供されています。図のとおり、保有株式数と保有期間に応じて金額が変わる仕組みとなっており、1万円相当のカタログからは高級和牛なども選択可能です。

ただし、このカタログギフト優待は2024年度までとなっており、2025年度以降はPontaポイント付与などへの変更が予告されています。

・ソフトバンク(9434)

ソフトバンク(証券コード9434)では現在、株主優待制度を実施していません。以前は携帯電話の利用料金を割り引く優待がありましたが、2019年をもって廃止されています。

株主優待制度がないぶん、ソフトバンクは配当金の利回りを高めに設定しているので、配当金目当ての人はチェックしてみましょう。

・楽天モバイル(楽天グループ:4755)

↑楽天のサイトから

※2024年2月8日終値

楽天モバイルを運営する楽天グループ(証券コード4755)は2023年まで、楽天モバイルの「データ通信用eSIM(30GB/月)」を株主優待として無料で提供していました。

こちらは保有株式数や保有年数によって利用可能期間が変わる仕組みで、無料となるのは最大でも6か月まで。また、データ通信用のeSIMなので、使い勝手が良いとは言いにくい優待でした。

ところが2024年2月14日、楽天グループは新たな株主優待制度として「音声+データ30GB/月」プランを、1年間無料で提供すると発表しました。

無料期間は1年間で、さらに音声通話付きプランに変更になったため、利便性が大きく向上しています。

ただし、上記の優待を受けられるのは「2023年12月末日時点の株主名簿に記載された、100株(1単元)以上を保有する株主」が対象です。今から株を購入してもすぐに優待が受けられるわけではないことに注意しましょう。

次に株主優待の権利を得られるのは約1年後の2024年12月末ですが、今回の優待が次回も継続して実施されるかは不明です。

株主優待で完全無料になる格安SIM会社に注目

比較的充実した株主優待制度を実施している大手通信キャリアと比較すると、格安SIM会社の優待は控えめです。

たとえば、人気の格安SIM会社IIJmioの運営企業インターネットイニシアティブ(証券コード3774)は株主優待を実施していません。また、同じく人気のmineoを運営するオプテージはそもそも非上場企業で、親会社の関西電力(証券コード9503)も株主優待はありません。

そんな中で注目すべき企業が、LIBMOを運営するTOKAIホールディングスです。

・LIBMO(TOKAIホールディングス:3167)

↑TOKAIホールディングスのサイトから

※2024年2月8日終値

格安SIM会社「LIBMO」を運営するTOKAIホールディングス(証券コード3167)では、株主優待として自社の飲料水宅配サービスの商品やQUOカードなど、選べる5つのコースを用意しています。

その中で、特に注目したいのがEコース「『LIBMO』の月額利用料割引」です。

図のとおり、100株以上で月額350円、300株以上で月額850円、5000株以上で月額1880円がそれぞれ6か月間割引となります。これをLIBMOの「なっとくプラン」に適用させた場合の料金がこちらの表となります。

※価格は税込みです。

TOKAIホールディングスの株価は本記事執筆時点で1株1000円なので、「なっとくプラン(8GB)」まで無料となる5000株の保有には500万円必要です。「成長投資枠」の年間上限が240万円なので、新NISAの枠内でこの額を一度に投資することはできません。

狙い目なのは月額850円が割引となる300株の購入です。これなら30万円の投資で済み、「なっとくプラン(3GB)」を月額130円で利用することができます。

割引の期間は6か月間ですが、TOKAIホールディングスの株主優待は3月と9月の2回受けることができるので、株を持ち続けている限りずっと月額料金の割引を受けられることになります。

以上のように各社とも魅力的な株主優待を実施しており、これらの優待目当てで購入する株を選ぶことも選択肢のひとつです。

ただし、株主優待は廃止される可能性があることや、優待で得られた利益以上に株価が値下がりしてしまうリスクがあることには注意が必要です。また、ソフトバンクのように株主優待を廃止して、そのぶん配当金を増額する企業も増えており、こうした株のほうが大きな利益を得られる可能性もあります。

これらも理解したうえで投資先を吟味し、新NISAの枠を上手に活用してみましょう。

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