中国東北料理、世界で人気上昇中

中国東北料理、世界で人気上昇中

米ニューヨークにあるレストラン「遼寧飯店」の外観。(資料写真、ニューヨーク=新華社記者/李睿)

 【新華社北京2月20日】中国では黒竜江省ハルビン市の人気が国内を席巻しており、その人気は今や海を越えて広がりつつある。海外の人々は「ハルビンブーム」を機に、中国東北部のロマンチックな雪と氷を知り、料理をはじめとする奥深い文化にも関心を持ち始めている。

中国東北料理、世界で人気上昇中

米ニューヨークにあるアグリツーリズム施設「遼寧山荘」で提供される東北風豚鍋料理「殺猪菜」。(資料写真、ニューヨーク=新華社記者/李睿)

 中国の春節(旧正月)期間中、海外でも多くの地元住民と華僑・華人が一緒に新年を祝う様子が見られた。米国ニューヨーク・クイーンズ区のフラッシング地区にあるレストラン「遼寧飯店」は満席で、オーナーの関晶(かん・しょう)さんは、開店して20年近くになるが最近のハルビン人気を受け若者客が増えたと指摘。ブームを追い風に「アップステート」と呼ばれるエリアでアグリツーリズム施設「遼寧山荘」を新しくオープンさせたばかりだが、こちらも客足が絶えないという。年内から「年夜飯」(年越し料理)の予約も好調で、年越しの風物詩、餃子作りを山荘でと望む利用客も多かった。

中国東北料理、世界で人気上昇中

カナダ・バンクーバーにあるレストラン「添璽(てんじ)」で提供されるアルミ製の弁当箱に盛り付けられた東北料理。(資料写真、バンクーバー=新華社配信)

 カナダ・バンクーバーでは「東北フュージョン(多国籍)料理」を売りにするレストラン「添璽(てんじ)」が、レトロなアルミ弁当箱に盛り付けた弁当を売り出した。年代を感じさせる弁当箱を手に持つと、東北人の脳裏には子ども時代の数えきれないほどの思い出がよみがえる。

 同店オーナーでハルビン市出身の衣瑶(い・よう)さんは東北料理について、海外で徐々に受け入れられている段階にあり、ハルビン人気が東北料理市場と東北料理への人々の関心を高めているとみる。衣さんは「人々は伝統的な東北文化の要素を意識的に求めるようになっており、海外でもそれを感じることができる」と語った。

 アルミ製弁当箱は中国系以外の客層からも好評を博し、この層の短編動画のクリエーターが次々と来店するようになった。彼らの多くは、店内の弁当を試すうちに東北料理への好奇心が受容と好感に変わっていくという。

中国東北料理、世界で人気上昇中

韓国ソウルの大林洞(テリムドン)にある中国料理レストラン「福満楼」の外観。(資料写真、ソウル=新華社記者/李睿)

 韓国ソウルの大林洞(テリムドン)にある中国料理レストラン「福満楼」では、地三鮮(ジャガイモとナスとピーマンの炒め物)や鍋包肉(東北風酢豚)などの伝統的な東北料理に加え、マーボー豆腐や担々麺といった人気四川料理も提供している。オーナーの孟凡福(もう・はんふく)さんは、店の客のほとんどが韓国人で多い時は1日に数百人が来店すると語る。韓国人に最も人気のメニューは、鍋包肉と地三鮮、羊のスペアリブという。

 孟さんによると、韓国人は東北料理への受容性が非常に高く、当初はジャージャー麺やスパイシー海鮮麺などの「韓国風中華料理」が好まれていたが、今では本格的な東北料理や中国料理を好む人が増えている。

中国東北料理、世界で人気上昇中

オーストラリアのキャンベラにあるレストラン「東北農家小院」で、手打ち麺を作る同店の経営者、孟繁華(もう・はんか)さん。(資料写真、キャンベラ=新華社配信/儲晨)

 黒竜江省綏化(すいか)市出身の孟繁華(もう・はんか)さんは、オーストラリアの首都キャンベラで東北料理レストラン「東北農家小院」を経営している。「半径十数キロ圏内に東北料理を出す店はなく、経営は好調。オーストラリア人客は鍋包肉や酸菜(白菜漬け)入り餃子を好むので、これらのメニューの見た目と味をさらに良くしていきたい」と話している。

© 新華社