【動画】輪島塗復興祈り応援旗 唐津くんちの水主町がエール 曳山塗り替えで縁深く

輪島塗復興への祈りを込め、「エンヤ」のかけ声とともにエールを送った水主町曳山組織のメンバーら=唐津市のふるさと会館アルピノ

 唐津くんちの水主町(かこまち)の曳山組織「水組」が、能登半島地震で工房などが被災した輪島塗の復興を願う旗を作成した。13番曳山(やま)「鯱(しゃち)」の塗り替えで輪島塗とは縁が深く、再起への祈りを込めて「エンヤ」のかけ声とエールを動画にも収めた。

 “祈 輪島塗復興”の言葉と鯱のイラストが描かれた縦90センチ、横180センチの旗に、子どもクラブや関係者ら約60人が輪島への思いを書き込んだ。旗は「日本が誇る輪島塗の復興を」「穏やかな日常が早く戻ることを願います」などの寄せ書きで埋め尽くされ、外町小2年の村上晴音君は「塗り替えの時は何度も見に行って丁寧に塗られていた。津波が来て、ぐらぐら揺れた映像を見て、早く普段の生活に戻ってほしいと思った」と話した。

 旗と鯱とともに撮影した動画は、前回の塗り替えを担った輪島市の田谷漆器店に2月下旬に贈る。関係者によると、代表の田谷昂大さんは金沢市に2次避難中で、職場のある輪島では車中泊をしている状況という。職人たちは事業再建に向け、がれきの撤去や資材の救出に取り組んでいる。

 鯱の曳山には“輪島復興祈願”の看板を立てかけ、今秋のくんちでも巡行する。水主町曳山正取締の前川源明さん(52)は「町の先人から託されてきた輪島塗への思いを守り、つながりを持ち続けたい。力強く復興へと進んでほしい」と語った。(横田千晶)

「祈 輪島塗復興」の言葉と鯱の曳山をデザインした旗で、復興へのエールを送った

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