東京の空気をまとったまま【石川県小松市】で暮らす、それが今の自分らしさ

北陸、石川県にある小松市は東京・大阪・名古屋の3大都市圏からほぼ等距離に位置する、人口約10万人の地方都市。市内には日本海側最大の小松空港があり、国内線と国際線が就航している。さらに地上にはJR特急列車が停車する駅があり、2024年には北陸新幹線の駅も開業予定の、アクセス抜群の町だ。

市内はクルマで30分圏内の身近さに海、山などの自然はもちろん、ショッピングモールや学校、図書館、病院、子どもたちの遊ぶ施設も多い。全国的に見ても、安心・快適・利便など全ての指標のバランスがよい、優れたまちとして評価され「住み良さランキング」で全国8位を獲得(出典:東洋経済新報社「都市データパック2020年版」)。「多様な働き方が可能な都市」として第1位にも選ばれた(日本経済新聞と東京大学の2021年調査結果)。テレワークや二拠点生活にも適した、住みやすいまちと評価が高い。まさにそれを体感している女性がいる。

空港も新幹線も近くなる小松は、地方都市として抜群の利便性

新幹線開通を前オープンした、小松のひと・もの・情報の交流拠点「Komatsu Nine」

小松移住という選択の中で

野島さんは、東京でばりばり働く女性だった。仕事が大好きで、キャリアに邁進する中で、結婚。しかし夫が小松市出身でUターンすることをきっかけに、二拠点生活がスタートする。

「小松と聞いても正直ピンと来なくて、最初は不安でした。でも、何よりも今の仕事を辞めるという気持ちにはなれなかったんです。それで会社にもかけあって東京での仕事を続けながら二拠点で生活をするうちに、ありがたいことに子どもを授かりました」

ここで野島さんは次の決断をする。できれば小松で今の仕事を続けたい。しかしリモート勤務は当時制度としてなく、会社と相談の結果、今の会社で産休と育休を取ることを選んだ。それらが明けた時に、リモート勤務が可能ならと願ったのだ。しかし残念ながらそれは叶わず、結果的に生まれた子どもを連れて小松に完全移住することとなる。

「いつかこっちに来ることは覚悟していたので、免許を取るなど準備をしていきました。でもクルマの免許を取ったら、ああ、人ってどこでも生活出来るんだなって、世界が広がりましたね」

そして子どもが1歳を過ぎた頃に、やはり仕事がしたくなる。

野島朋子さんは2020年に出産を機に小松へ移住

今回は「Komatsu Nine」にあるコワーキングスペースにて話を聞いた

自分らしい働き方を、小松で

まだまだ知らない土地、北陸の企業の仕事も検討した。WEBで多くの仕事を調べるが、なかなか自分のココロにマッチするものがなかった。そんな中で、東京にいた頃の知人と連絡をとるうち、一緒に仕事してみる?と縁がつながる。大企業の人材をベンチャー企業に半年から1年間、研修・出向の形で一時的に移籍させて育成する「レンタル移籍」を提供し、企業変革の促進に貢献する事業を展開する、株式会社ローンディール。

「東京で自分がしてきたことを活かせて、そのままの空気を継続させたかったんです。リモートでの仕事を他でも探しましたが、月に1回は出社などの条件があって。今はまだ子どもも小さいし、そういうのがなく完全リモートの今の会社を選びました」

東京の空気をまとったまま、自分らしく働くこと。それが野島さんらしい選択だったのだろう。とはいえ、何かあった時には東京にも行ける交通が、小松には揃っている。事前にスケジュールがわかっていれば飛行機で飛べるし、春からは新幹線でも東京へ駆けつけられる。その安心感も大きい。

野島さんは二拠点生活をした時期があるからこそ、事前に小松の良さには触れていた。週末だけの時間から実際に暮らす、という方にシフトした時に見えてきたものは何か。

「毎日、とっても気を張って生活していたんだなと気づきました。もっと楽な気持ちでいていいんだなと」

最初の頃は、人通りも少ない夜の環境にも怖さがあったという。しかしそれを含めて小松をもっと感じられるようになる。「いつのまにか小松のリズムが心地よくなってきました。東京のスピード感も、小松の落ち着いた感じも、片方だけでなくて両方あるのがわたしには嬉しいことだなと。加えて子どもを育てていると、見え方が変わってきた自分というのもありますね」

居心地よいコワーキングスペースでは、様々な人々が交流する

子どもと自分と小松市と

「あまり自炊しない方だったんですが、子どもができるとそういうわけにもいかなくて、自然と“食”に向かうことになる中、小松の水のおいしさや食の豊かさには感動しました」

地元のスーパーマーケットで売られる鮮魚や野菜のクオリティは目を見張るものがあったという。確かに東京ではお金さえ払えばおいしいものはふんだんにあるが、日常のスーパーにそれらを期待するのは難しい。地元で作られる質の高い野菜や、漁港で揚がる鮮魚は子育て中の野島さんには大きな価値だ。

さらに、自然豊富であり規模の大きい公園でのびのびと遊ばせられる環境は、このうえない贅沢なこと。「しかも混雑していないんですよ。渋滞や混雑がなく、駐車場も無料なのでそういったストレスがないのはありがたいです。それから文化的なイベントなども市民が中心となって参加しているのも小松の良さですね」

小松は京都の公家文化や金沢の武家文化とは異なり、もともと町民文化が発展してきた町。町民が歌舞伎をし、民謡を歌い、踊り、お茶を嗜む。それをそのまま市民が受け継いできたからこそ、現在でも主役は市民自身なのだ。

「子どもとは、カブッキーランドによく行きます。そういえば一度腰の調子が悪くて、子どもの園の送迎がどうしてもできず、ファミリーサポートに相談したことがあります。それはとても助かりました」

ファミリーサポートとは、 子育ての援助を受けたい「依頼会員」と援助をおこなう「提供会員」が、会員同士で子育てをサポートする事業だ。 地域の会員同士が支え合うことで、子育て家庭の負担を軽減する取り組みで、小松だけでなく、全国各地で取り組まれているが、小松のすごいところはこれがカブッキーランドという親子が日常的に訪れる場所で受付をしてくれる点。通常は市役所などに赴いて登録をしなければいけないが、子どもを遊ばせながら手続きをできるのは大きな利点である。

「小松には、空とこども絵本館や航空プラザ、ふわふわドームができた運動公園など、子どもと楽しめる場所がたくさんあります。でも、一番好きなのは、保育園に子どもを迎えに行って、そのまま安宅海岸に夕日を見に行くことです。そういうのが自然に、普段からできるのが贅沢ですよね」

安宅海岸のふれあい健康広場。特に夕刻は美しい

恐らく、リモートで仕事をしていた手を止めて、ああ、もうこんな時間だとPCをたたみクルマを走らせ、愛する我が子を迎えに行く。そんな中で、ほっとする時間が野島さんにとって小松で、今仕事をする醍醐味なのかもしれない。

誰もにとってそれぞれの自分らしい働き方が、小松で見つけられそうだ。

■移住者が語る小松市の魅力が紹介されています。『Hello !こまつ』

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