家族でのお出かけや旅行は楽しいものですが、やはり大人だけで移動することに比べるとその大変さは段違い。予定通りに行動できた試しがない! なんて家庭も多いかもしれません。
特に長距離の移動となると、子どもが飽きてしまってぐずって大変なことも。
そこで今回は、車、飛行機、新幹線の3つの移動パターンに分けて、多くの家庭がやっている子連れ移動を乗り切るための対策や、子どもを飽きさせずに時間を潰す工夫を紹介します。
車移動は“余裕”が大事
1: とにかく早めに出発&出発時間帯を工夫する
車移動は出発時間の融通が利き、家族だけの空間で移動ができるのが大きなメリットです。
一方で、飛行機や列車と違い、到着時間を正確に読みづらいのがデメリット。長距離移動で高速道路などを使う場合、渋滞に巻き込まれて想定よりも随分時間がかかってしまった、という経験は誰しもがあるのではないでしょうか。
子連れでの移動の場合は、予定よりも時間を繰り上げて出発するのがおすすめです。トイレや車酔いなどで、途中休憩が多くなってしまう可能性を加味しておきましょう。
帰省など、到着後に親がゆっくり休むことが可能な場合は、夜に出発するという方法を使っている家庭もあります。
あえて子どもが就寝している時間に移動することで、移動時間のほとんどを睡眠にあてることができるため、子どもがぐずることなく現地に到着できるというメリットがあります。
2: 渋滞を察知したらすぐに下道へ
高速道路では、渋滞を察知した時点で下道に降りるという判断をするのも、子どもとの移動をスムーズにするコツのひとつです。
「案外すぐに渋滞が解消するのでは?」と、そのまま高速道路にとどまることも多いですが、予想よりもずっと渋滞が長引いしてしまうこともあります。
高速道路上で車が流れていかない状況で、子どもがトイレに行きたいと口にすることもしばしば。大人が「どうしてこんなときに……」ということばかり起こすのが子どもです。
「車が進まず退屈な時間が増えることで子どもが不機嫌になることも多く、不機嫌が車酔いを誘発してしまうことが何回かありました。
下道に行って、ただ風景が流れるというだけで子どものぐずりや不機嫌を解消できることも多いと思います」(ピアノ講師/38歳)
下道に降りれば、比較的トイレ休憩をする場所も見つけやすくなります。高速道路よりも時間がかかることもありますが、親の精神的な疲労は意外に下道を通って移動した場合のほうが軽くなる場合もあるのです。
3: 車内での遊びは聴覚と視覚を使う
車で移動する場合は、車内での暇つぶしも工夫が必要です。塗り絵や読書など、視線を近い場所に向けて行う遊びは車酔いの原因になってしまいます。
後部座席にテレビ画面が付いており、そこでYouTubeなどの視聴が可能な車の場合は良いですが、タブレットでの動画視聴などもどうしても顔に近い場所で観ることになります。
そこでおすすめなのが、車外に視線を向ける遊びです。
「前を走る車や横を通り抜ける車のナンバープレートの数字で計算クイズを出したり、ナンバープレートや案内標識に書かれている地名の読み方クイズをしたり、という遊びをよくしますね。
外の風景の中で目に入るものを題材にすると、案外ネタが多いです」(薬剤師/38歳)
できるだけ、遠くに目の焦点をあてることで車酔いの防止にもなります。
また、せっかく家族だけの空間の移動です。中には「家族それぞれが自分の好きな曲プレイリストを作って、みんなでカラオケのように歌いながら移動を楽しむ」という、移動自体を楽しい時間にする工夫をしている家庭もありました。
航空会社勤務ママに聞く、飛行機移動のテクニック
1: 赤ちゃんの場合は搭乗直前に授乳
子連れ移動、特に乳児の場合は搭乗直前に授乳をしておくと楽になることがあります。お腹いっぱいになることで、離陸のタイミングで寝ていてくれることがあるためです。
「私の実家が飛行機の距離にあってよく利用するのですが、離陸と着陸の際に気圧の関係で耳が痛くなって子どもが泣いてしまうんですよ……。着陸のあとはもう飛行機を降りるだけなのでいいのですが、離陸後なかなか泣き止んでくれないときはやはり気まずいです。
2人目が生まれてからやっと『直前に授乳して寝かせちゃえばいいんだ!』と気がつきました。1人目のときに気が付きたかったです」(通信業/39歳)
大人でも、飛行機の離着陸で耳が痛くなったり、塞がったような違和感を感じたりすることが多いですよね。子どもならば、そうそう体験しない痛みにパニックで泣いてしまうのも仕方がないこと。
寝てくれない場合はおしゃぶりをさせる、幼児以上の場合は飴を舐めさせるなどの対策が効果的だった、と語るパパママもいました。
2: 飛行機ではやはり動画やゲームが効果的
飛行機は、自家用車のように大きな声で喋ったり、新幹線のように少し席を立ってデッキに行ってみたりということができません。
長時間、座席で大人しくしておいてもらうためには、やはりタブレットで動画を見せたりゲームをさせたりしているという家庭が多くありました。
すぐに動画やゲームに飽きさせないために、こんな工夫をしているママがいました。
「我が家はアニメをサブスクサービスで後追い視聴をしているのですが、飛行機での移動がある場合は何週か試聴させないようにして、機内で一気見してもらうようにしています(笑)」(専業主婦/35歳)
お気に入りのアニメの映画などがちょうどリリースされていれば良いですが、タイミングが合わないことも多いものです。そんなときは、飛行機移動を見越して少しだけ我慢させ、移動時に一気に解放するという方法が効果的なようです。
また、機内で思うようにストリーミング再生などができないこともあります。視聴する動画やゲームなどはダウンロードしておいて、ネットがつながらない環境でも視聴できるようにしておくとベター。
3: 席の選び方にもコツあり
筆者の友人である航空会社勤務のママは、「子連れでの飛行機移動は座席選びで随分楽になる」と話しています。
「飛行機の座席は、前方はビジネス利用の人が多く、後方はファミリーが多い傾向があります。子連れでの飛行機移動の際は、後方を選ぶと周囲に気を使わずに移動時間を過ごすことができます。
また、飛行機は座席を予約した人と実際に搭乗する人の氏名が一致していないといけないというルールがあるので、新幹線の自由席のように、空いているからといって機内での座席移動はできません。
ただ、自分のすぐ横の座席が空席だった場合、荷物を置く程度のことはOKな場合があるので、遠慮せずにCAに聞いてみてください。乳幼児の場合は、子どもに関わる荷物をすぐ横に置いておけるのは安心ですよね」(航空会社勤務/38歳)
事前にスタッフに相談することで融通を利かせてくれる部分がある、というのは飛行機移動のメリットですね。
パシネット(飛行機で使うベビーベッド)なども、事前予約で使用できることがありますし(路線や航空会社による)、紙おむつなどの予備が機内に準備されていることもあります。
少しでも気になることがあれば、早めにスタッフに相談しましょう。
新幹線、実は暇つぶしの自由度が高い!?
1: 実は車内でできることが多い
車での移動よりも、声量などに気を使う新幹線ですが、メリットもあります。それは、車に比べて乗り物酔いすることが少ないこと。
車での移動では、車酔いをして嘔吐してしまったら……という不安から、あまり乗る前や車内でご飯やおやつを食べさせない、という家庭もありますが、新幹線だとその心配が少ないのです。
「新幹線での移動の場合は、基本的に乗る前にご飯を食べずに車内で食べます。駅弁やおにぎりを選ぶのも楽しいし、食べる時間自体が車内での暇つぶしになります。
運が良ければ、お腹がいっぱいになってそのまま座席で寝てくれることもあるので、親もゆっくり移動できますし」(自営業/33歳)
お昼寝のあとはおやつ、というように食べ物を口にすることで暇を紛らわすことができますね。
また、小学生以上の場合は、長期休みの宿題を「新幹線でやることがないなら勉強しなさい」とやらせている家庭も多いようです。帰省先などに着いたあとに思い切り遊べる、上手な時間の使い方かもしれません。
2: 新しいおもちゃや絵本を用意する
新幹線移動は長時間になることが多いですよね。こういった場合、普段お気に入りのおもちゃや絵本では飽きがきてぐずってしまう可能性があります。
多くの家庭で「新幹線移動の場合は新しいおもちゃや絵本を用意する」という声が上がりました。小学生以上の場合は、新幹線を利用するタイミングで新しいゲームソフトを買うということもあるようです。
乗り物酔いが少ないこともあって、本を読んだり動画を観たり、ゲームをしたりできるのが、親にとっては楽ですよね。
ただ、車や飛行機と違い、新幹線では重い荷物を持ち歩くタイミングが多くなります。子どものリクエスト通りにおもちゃなどを持っていくとかさ張ってしまうこともあるので、飽きさせないよう少なすぎず多すぎずを心がけましょう。
また、飛行機と同様に、動画視聴やゲームをする場合は子ども用のヘッドホンを着用すると良いですね。
3: デッキなどで気分転換
新幹線移動ならではの気分転換といえば、車内で「お散歩」ができること。
もちろん、走り回ったり大声を出したりしないよう配慮が必要ですが、じっとしていられない子どもが手足を動かせるのは嬉しいですね。
「デッキで気分転換は一見ありがちな暇つぶしに思えるのですが、実は子どもだけでなく親も良い気分転換になります。
ぐずった子どもをデッキに連れていくと、同じように泣き出した赤ちゃんをあやしにデッキに出ているパパやママをよく見かけるので、変に気を使わなくて良いですし(笑)
また、座っている席とは反対側の風景が見られるのも良いですね。東海道新幹線に乗ったときに、富士山を見るためという口実でデッキに出たのですが、座席からは見られない風景が続いてかなり長い時間子どもと外を見ていました」(彫金師/37歳)
ずっと座っている座席から移動して違う場所に行く、これだけの行動でも、子どもは変化を楽しんで時間を潰してくれることがあります。
きっかけさえ与えてあげれば、案外大人よりも上手に暇を楽しんでくれるのかもしれません。
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子どもを連れた長距離移動は不安がつきもの。乗り物酔いで吐いてしまったらどうしよう、ぐずって周囲に迷惑をかけたらどうしよう、そんな気持ちを抱えて、楽しい旅行や帰省を憂鬱に感じてしまうパパママは多いものです。
移動手段によって対策できることは変わってきますし、それぞれの移動手段の特徴を捉えることでむしろ上手に対処できる場合もあります。
子どもの性格や体質によって、移動手段を変えるという選択もしてみると良いかもしれません。しっかりと事前対策をして、子どもとの移動を楽しんでくださいね。
(ハピママ*/ 高橋 マミ)