「イカ捕食のマグロの漁獲枠拡大を」 玄海漁協が水産庁長官に要望

クロマグロの漁獲枠拡大の必要性を森健水産庁長官(左)に訴える、佐賀玄海漁協の川嵜和正組合長(右から2人目)=農水省

 呼子地区のケンサキイカの漁獲量減少はクロマグロによる捕食が要因となっているとして、佐賀玄海漁協(唐津市)の川嵜和正組合長らが19日、水産庁を訪れ、森健長官にクロマグロの漁獲枠拡大を訴えた。

 要望書では「クロマグロの増加により、イカが過剰に捕食されるようになり、イカが減少している。増えすぎたクロマグロが他魚種へ悪影響を及ぼしている」と問題視。玄海地区におけるイカ類が水産、観光の面からも「重要魚種」と強調し、「イカ釣り漁業が主幹である佐賀県の現状などを踏まえ、(クロマグロの)漁獲枠拡大に配慮頂きたい」としている。

 面談は冒頭を除き非公開。川嵜氏は「クロマグロばかりで、イカがいなくなる現状だ」と説明。クロマグロの胃からイカが見つかるなど「捕食していることは明らかだ」として、漁獲枠拡大への理解を求めた。

 水産庁管理調整課によると、2023年度の佐賀県のクロマグロの漁獲枠は30キロ未満の小型魚が5.5トン、30キロ以上の大型魚が6.5トン。隣県の長崎県は小型魚が872.1トン、大型魚が194.4トンとなっている。

 要望には佐賀県関係の国会議員と県議も同席。自民党水産総合調査会長の石破茂衆院議員も訪ねた。(大橋諒)

© 株式会社佐賀新聞社