『コットンテール』コロナ禍でのイギリスチームとの撮影とは? リリー・フランキーらが語るメイキング映像解禁

映画『コットンテール』場面写真(C)2023 Magnolia Mae/ Office Shirous

パトリック・ディキンソン監督、リリー・フランキー主演による日英合作映画『コットンテール』より、コロナ禍で行われたイギリスチームとの撮影について、キャストが語るメイキング映像が解禁された。

パトリック・ディキンソン監督の長編デビュー作となる本作は、東京と、英イングランド北西部に広がる湖水地方・ウィンダミアを舞台に、家族の愛と再生を紡ぎ上げたロードムービー仕立てのヒューマン・ドラマ。

学生時代にオックスフォード大学と早稲田大学で日本映画を学び、日本に造詣が深いディキンソン監督が、自身の母親をみとった経験をもとに脚本を書き上げ、これに深く共鳴したというリリー・フランキーを主演に迎えて映画化。昨年開催された第18回ローマ国際映画祭で、最優秀初長編作品賞を受賞した。

長年人生を共に歩んできた妻・明子(木村多江)に先立たれた兼三郎(リリー・フランキー)は、明子の「イギリスのウィンダミア湖に遺灰を撒いて欲しい」という最後の願いをかなえるため、長らく疎遠だった息子の慧(錦戸亮)とその妻・さつき(高梨臨)たちとイギリスへと旅立つ。しかし、互いに長年のわだかまりを抱えた兼三郎と慧はことあるごとに衝突してしまう。さらに兼三郎には、慧に言えない明子とのもう1つの約束があった。

このたび、日英のスタッフ、キャストが集結したイギリスロケのメイキング映像が解禁。撮影が行われたのは、渡英のためには隔離が必要だったコロナ禍の2021年。ウィンダミア湖周辺の美しく開放感のある景色を背景に、主人公・兼三郎を演じたリリー・フランキーは「国の中でも意見が違っていたり、分断されているような空気の中で、イギリスのスタッフと一つのものを作っていると、世界は繋がっているなと感じさせてくれる撮影で、人間的に成長させてくれた。遠く離れていても人は皆同じことを考え、真剣に仕事をしているということを見ることができて、人生にとって重要な経験となった」と話す。

一方、錦戸は「お芝居から遠ざかっていたので、台本を読んでどんな映画になるんだろうと思いました。家族の物語でもあるから、やってみたいなと思った」と、久々に演技の仕事を選んだ理由を明かす。世界的巨匠アッバス・キアロスタミ作品への出演経験もある高梨は、パトリック監督の現場について「日本ではみんなが揃ってからお芝居をするのが普通なのですが、役者と監督で芝居を作ってからスタッフさんに見せるのが新鮮でした」と、日本での撮影スタイルとの違いを驚きつつも、楽しんでいる様子。

また本作には、近年では『ベルファスト』でアカデミー助演男優賞にもノミネートされたイギリスを代表する名優キアラン・ハインズも出演。初共演となる娘で、同じく俳優でもあるイーファ・ハインズとともに、作品の魅力を語る。

さらにメイキングの最後には、リリーが「みんなが小さなことでもすごく大切に描こと言って、話し合って何回もやり直してセッションしている。ものづくりとはこうあるべきだなと、思い出しました」と、自身もクリエイターであるリリーらしい感想を述べている。

映画『コットンテール』は3月1日より全国公開。

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