「視聴数を伸ばすための出だしが気になる」 言葉や手続きを問題視 「セクハラ」と批判の浦添市長動画 有識者委が初会合

 沖縄県浦添市が公式アカウント「TikTok(ティックトック)市長」に投稿したショート動画が女性蔑視やセクハラとの批判を受けた問題で、市は19日、有識者が検証する「市ソーシャルメディア調査委員会」の初会合を開いた=写真。委員からは、ハラスメントを想起させる松本哲治市長の言葉遣いのほか、動画投稿に至る行政手続きを問題視する意見が相次いだ。

 委員長は琉球大学の矢野恵美教授(ジェンダー法)、委員は沖縄大学の朝崎〓(かたる)客員教授(行政法)、おきなわ女性財団の玉城尚美さん、「モバイルプリンス」こと島袋コウさん。

 今回は全26本のうち、15本目までを閲覧し、意見を出し合った。矢野委員長は、出演した市長のせりふや字幕について指摘。「市役所職員も見た目が勝負」「市長が激怒している」といった言葉が「ルッキズムやパワハラを感じさせる」とし、「視聴数を伸ばすための出だしに、特に気になる点が多い」とした。

 島袋委員は「ぎりぎりの表現を求め、(市のPRというより)市長による自身のPR動画になっている」と指摘した。玉城委員は「親しみやすさ」への思慮の浅さを強調した。朝崎委員は動画投稿の際、庁舎内でグループラインでの承認にとどめ、決済文書を回さなかったことを「市の規定に反する」と指摘した。

 矢野委員長は「責めるというより、なぜこのような動画になったのかを議論する場にしたい」と語った。

 次回開催は3月で、同月末に松本市長に答申予定。委員会は公開で行われた。(浦添西原担当・比嘉直志)

※(注=〓はへんが「口」でつくりが「伊」)

ショート動画の問題点を検証する調査委員会の初会合=19日、浦添市役所

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