「熱したバターをナイフで削るかのようだ」 三笘薫、悪質タックルにも負けず2ゴールに絡む大活躍で現地メディアから賛辞続々!

現地時間2月18日に行なわれたプレミアリーグ第25節、ブライトンは敵地で、シェフィールド・ユナイテッドを相手に5-0の大勝を収めた。1試合5得点はFAカップ4回戦の同カード(5-2)以来今季2度目で、5点差勝利は初である。

開始13分に三笘薫への危険なタックルでメイソン・ホルゲイトがVARを経て一発退場になると、数的優位となったアウェーチームは20分に混戦からファクンド・ブオナノッテが先制ゴールを挙げ、4分後には三笘の角度のないところからのダイレクトボレーを相手GKが弾き、これをダニー・ウェルベックが詰めて2点目。終盤に入り、75分に三笘のクロスから相手DFのオウンゴールが生まれて3点目を挙げると、78分、85分とシモン・アディングラが連続ゴールを達成した。

2つのゴールに絡むなど大勝に貢献した三笘の76分間のプレーに対しては多方面から賛辞が贈られ、この一戦の「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」に選定された三笘に対し、ロベルト・デ・ゼルビ監督は「三笘とアディングラはどちらも非常に重要であり、とりわけ今回のような試合では、1対1の状況で違いを生み出すために、ウインガーとしての彼らのスキルが必要になる」と語っている。
三笘については、そのプレー以上にドリブル突破を図った際にホルゲイトから足の裏で左膝上を直撃されるという、戦慄を覚える場面に注目が集まり、10点満点の採点でアディングラ(9)に次ぐチーム2番目タイの「8」を付与したスポーツ専門チャンネル『Sky Sports』も、コメンテーターのジェイミー・レドナップによる「ここ数年で見た中で最悪のタックルのひとつだ。私の現役時代でさえ、スキャンダラスなタックルだっただろう」とのコメントを紹介した。

また、国内外のメディアからも関心が寄せられ、スペインのラジオ局『Cadena SER』は「ホルゲイトは三笘の膝を破壊してしまう危険性があった。日本人選手の関節はタックルを受けた後、奇妙な捻じれを見せ、十字靭帯の損傷など最悪の事態もあり得た。しかしその後、三笘は少し足を引きずりながらも、大きな問題もなく、試合を終えることができた」と報じている。

プレーに関する報道に戻ると、日刊紙『The Guardian』はこの試合でのブライトンの攻撃について、「パスカル・グロスが不気味なほど正確にパスを供給する一方で、三笘は左サイドで美しく楽しそうに踊り、アディングラも逆サイドで同様だった。そして彼らは、試合を通してパスを繋ぎ続けることで、相手チームを完全に支配した」と評した。『THE Sun』紙は、「三笘は左サイドでシェフィールド・Uの守備陣に問題を引き起こし続けた」と伝え、チームの3点目の場面では「三笘は悪質なファウルの影響から完全に回復し、左サイドから“意地悪”なクロスをゴール前に入れ、不運なDFジャック・ロビンソンは自陣ゴールにボールを蹴り込んでしまった」と綴っている。

『Daily Mail』紙は、「三笘はタリク・ランプティ、グロス、アディングラとともに、クリエイティブ面での大きな脅威となった」「ボールを持った三笘は、熱したバターをナイフで削るかのようだ。相手守備陣は、彼に対して無防備である」「三笘は攻撃で主導権を握り、全ての流れの経路となった」と、その記事の中でしばしば日本人アタッカーに対してポジティブに言及した。

スポーツ専門放送局『EUROSPORT』は、チーム最高タイの「8」で「プレーヤー・オブ・ザ・マッチ」に三笘を選定し、寸評では「試合序盤に酷いタックルを受けて窮地に立たされたが、これを克服してブライトンの左サイドで破壊的なパフォーマンスを発揮した。彼はマーカーのジェイドン・ボーグルに厳しい時間を過ごさせ、意のままに彼を抜き去って、チームの2つのゴールに貢献した」と称賛している。
スポーツ専門サイト『VAVEL』の英国版は、「まさにこの試合のキーマンであり、ボーグルを打ち負かし続けた。アジアカップ期間中の足首の負傷による欠場の恩恵を受ける形で、左サイドで電撃のようなプレーを披露。相手の守備陣を翻弄し、バックポストに飛び出して幾度もチャンスを創出した。得点やアシストを決めることはできなかったが、そのプレーは記録に残される価値があったと言えよう」と終始ポジティブに評し、採点ではアディングラとともに最高点となる「9」とした。

最後に、ブライトンの地元紙『The Argus』も同採点で、「左タッチライン沿いでプレーしたが、多くの重要な場面では中心的な存在となった。状況を見極め、簡単に相手選手を打ち負かしているように見えた。ゴールを奪えなかったのは驚きかもしれないが、相手のオウンゴール(3点目)の半分は彼の得点と言える」と、その秀逸なプレーを振り返っている。

構成●THE DIGEST編集部

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