福島県浪江町請戸地区では、津波の被害を受けた神社が13年ぶりに再建され、伝統の田植踊が奉納されました。
真新しい社殿を前に、女性たちが田植踊を奉納します。浪江町請戸地区のくさ野神社です。13年ぶりに社殿が再建され、300年以上の歴史がある伝統の安波祭が行われました。待ちに待った、神社の復活です。
地域の拠り所として親しまれた神社は、震災の津波で流され、避難指示解除後は、神社の跡地で踊りを続けてきました。
佐々木繁子さん(2018年)「最初は5人から始まってアタックしながら(集めている)」
田植踊を指導する佐々木繁子さん(73)。震災・原発事故の影響で請戸地区の子どもたちが県内外に避難したため、踊り手を集めるのが難しくなっていると話していました。
佐々木繁子さん「請戸の子どもが踊らないと請戸の田植踊ではないと言われたりするけど、よその手を借りながらでもつないでいかないと大変厳しくなっている」
「再建した神社で踊る日を信じて」。300年続く、ふるさとの伝統を絶やすことなく守り続けてきました。
「念願叶った喜びで…」
そして、18日。再建されたくさ野神社では、地元の子どもたちなど、12人が豊作や豊漁を祈り。田植踊を披露しました。
佐々木繁子さん「くさ野神社が再建するのをずっと願っていた。念願が叶って今日が迎えられた喜びで、大変うれしい」
踊り手・横山和佳奈さん「いままでも安波祭で踊るたびに請戸のことは思い出していたが、きょういつもの数十倍、請戸でこんな感じで踊っていたなと思い出しながら踊れた」
踏み出した新たな一歩。伝統の祭りは、ふるさとの復興とともに。未来に向かって歩みを進めます。